花窗玻璃

神泉寺瞬一郎が叔父の海埜警部補の家にやってきて、書き上げたミステリ「花窗玻璃」を読むように勧めた。そのミステリは瞬一郎が19歳の頃に1ヶ月ほど滞在したフランスのランスを舞台にしたものだった。

瞬一郎はランスにある下宿屋に居を定め、世界的に有名な大聖堂に毎日のように通っては、スケッチブックに素描していた。大聖堂には毎日観光客だけではなく、いろいろな人物がやってきた。その人物を見るのもまた面白かった。
その中に、足の悪い一人の老人がいた。その老人は毎日決まった時間にやって来ては、杖を突きながら聖堂内をゆっくりと巡り帰って行くのだった。そんなある日、瞬一郎は老人から話しかけられた。
老人とは妙に気が合い話が弾んだが、最後に老人は小礼拝堂には絶対に近づくなと言い置いて帰って行った。小礼拝堂には呪いがかかっているというのだ。気になった瞬一郎は大聖堂に関する事件を調べはじめた。
すると大聖堂では尖塔の屋上から男が飛び降りており、自殺として処理されていた。なぜなら当時尖塔は閉鎖され、事件直後にたまたま通りかかった刑事が尖塔の屋上に駆け上がったものの、誰一人人影を見なかったからだ。殺人ということなら密室殺人になってしまう。
そしてその飛び降りた男は、その直前に小礼拝堂でステンドグラスを眺めていたのだった。さらにその2週間後、小礼拝堂でひとりの浮浪者が倒れ死んだ。この相次ぐ事件が呪われた小礼拝堂の根拠らしい。
島田荘司と新本格作家のメインページにもどる
Mystery Collection Mainへもどる


Last modified -