奇面館の殺人

ここが東京都というような山奥にある中村青司設計の館奇面館。現在の館の主影山逸史から、奇面館で行われる会合に招待を受けた作家日向京助。
だが日向は病気で入院することになってしまい、代役として推理作家鹿谷門実を立てることにした。話を聞いた鹿谷は中村青司の館と知って、俄然行く気になった。
あくまで代役だから、鹿谷は日向として会合に出席しなければならなかった。都合がいいことに鹿谷は日向と顔立ちが似ており、体型もほとんど同じだった。
また会合は毎年行われ今年で3回目だが、日向が招待されたのは初めて。したがって他の出席者も招待主も日向の顔は知らない。しかも会合の間中、指定された仮面を被る決まりだったから、おそらく見破られることはないはずだった。
ところが会合当日は季節外れの大雪になり、会合出席者は奇面館に閉じ込められてしまう。招待客は6名、うち最初から出席しており3回連続出席が2名、2度目が2名で、鹿谷同様初めての者がもう1人いた。
出席者は全員仮面を被らされたが、それは個々に違った。歓び、驚き、嘆き、懊悩、哄笑、怒りの6種類の仮面で、部屋もそれぞれ同じ名の部屋が宛がわれた。
主人の影山は祈りの仮面を付け、秘書の鬼丸、アルバイトのメイドの新月、管理人兼コックの長宗我部も仮面を付けていた。仮面といっても顔全体を覆う鉄仮面のような形をしたもので、頭の後ろで鍵がかけられるようになっていた。
決まりでは宛がわれた室外に出るときは常時仮面着用ということだったが、実際は主人影山の前でだけ着用すればよかった。
さて会合が始まり影山の挨拶のあとお茶会があり、そのあと各部屋で食事、その後は一人づつ影山の部屋に行き、問答のような会話が行われた。一人づつの面談が終わると再び全員が集まり、特製の健康酒で乾杯して会合は終了だった。
翌朝、客全員の仮面になぜか鍵が欠けられてしまい、しかも鍵が見つからなかった。大騒ぎになり、鬼丸が影山の部屋に事情を説明しに行ったが、影山は部屋の中で死体となっていた。しかもその首はなく、手の指もすべて切り取られていた。
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