黒猫館の殺人

推理作家鹿谷門実を担当する編集者江南孝明のもとに、鮎田冬馬と名乗る人物から手紙が届き、ぜひ鹿谷に会いたいと言ってきた。
電話で話してみると、鮎田はホテルの火災に遭って煙に巻かれて意識不明となり、意識が戻っても記憶が戻らないのだと言う。鮎田というのも自分の本当の名前かどうかもわからないらしい。
記憶を探る唯一の手掛かりは救出された際に持っていた手記で、その手記には自分がかつて建築家中村清司が設計した黒猫館という館に管理人として住込んでいたと書かれていた。
鮎田は入院先の病院で、偶然に鹿谷の書いた「時計館の殺人」を読んで、その中で中村青司の名を発見したのだった。自分が何者かを調べる手掛かりとして、ぜひ鹿谷に会ってみたいというのだ。
江南は、この話をさっそく鹿谷に伝え、鹿谷は狂喜して鮎田との面会が実現した。そこで鮎田が自ら書いたと思われる手記を渡される。

その手記には鮎田が山の中にポツンと建つ黒猫館という館に一人で住込んで、そこの管理を任されていることから始まり、館には10年近くいるがほとんど誰もやってこないこと、それがどうしたことかオーナーのドラ息子が友人3人とともにやって来たことなどが順に綴られていた。
黒猫館には鮎田のほかにオーナーの息子の風間、その従兄弟の氷川、風間の友人の木之内と麻生の4人が寝起きすることになったが、その翌日には若い女性椿本レナが加わった。
レナは風間と麻生がドライブに行ってナンパしてきたのだった。その夜、館の大広間では風間たち4人とレナの5人で酒を飲みながらの怪しげなパーティーが始まる。
そして、翌朝密室状態の大広間の中でレナが死んでいた。首にはスカーフが巻かれ、それで絞め殺されたようだった。大広間にはレナのほかに酒とドラッグで正体を失った4人の男。
鮎田をはじめ男たちは警察の介入を嫌い、レナの死を闇に葬ろうとしたが…
島田荘司と新本格作家のメインページにもどる
Mystery Collection Mainへもどる


Last modified -