緋色の囁き

全寮制で校則が厳しいことで有名な聖真女学園高等学校に転校した和泉冴子。冴子はこの高校の校長、宗像千代の妹加代の娘、つまり姪であった。
冴子が4歳のころに冴子一家に不幸な事故があり、そのときに冴子は和泉家に養女に出されたのだが、高校2年になって宗像家からの申し出で養子縁組が解かれたのだ。
宗像家は聖真女学園高校のある北関東の相里市の名士で、冴子の祖父は相里市長を長く勤め、千代の夫も市議会議員で将来は市長の座に着くといわれていた。
千代夫妻には子供がなく、冴子が宗像家に戻ったのは、宗像の血を絶やさないためというのが大きな理由だった。冴子の母加代は死んだといわれていたが、冴子には母の死の記憶も、4歳の時に起きた事故の記憶もなかった。

冴子は伯母千代が校長を勤める、聖真女学園高校の敷地内にある聖真寮に入った。聖真女学園高校はお嬢様学校で学費も高く、1学年1クラスであった。
冴子は入寮し、初登校したが校則の厳しさ、教師たちの体罰に驚いたが、それよりも2年生のクラスの異様な雰囲気に圧倒された。
2年生のクラスはクラス委員長の城崎綾の存在がほかを圧倒していたのだ。綾は所謂女王様タイプで、それに取り巻きが4人、その取り巻きだけでなくクラスのほとんどが綾さまと彼女を呼んだ。
その綾のグループに一人反目するのが、寮で冴子と同室になった高取恵。恵は自分でも魔女といい、綾たちクラスの人間も恵を魔女と言っていた。
冴子は魔女とは何だろうと思っていると、35年前に寮内で自分は魔女だと言っていた生徒が、焼身自殺をしていたことがわかった。その自殺があった部屋は事件後閉め切られ、開かずの間になっていた。
その開かずの間で、ある夜高取恵が死んでいた。それも灯油を被って火に焼かれて、というかつての事件と同じ死に方だった。警察は学校や宗像家からの圧力もあって、高取恵の自殺とした。
だが恵の遺品を引き取りに来た恵の兄俊記は冴子に恵の死は絶対に自殺ではないと告げる。冴子もたった2日間一緒に過ごしただけだが、恵が自殺などするような人間ではないと思っていた。
冴子と俊記は情報を交換することを約して別れるが、今度は綾の取り巻きの一人堀江千秋が殺された。さらに次々と寮の2年生が殺されていき、犯人の疑いは冴子にかかるが…
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