迷路館の殺人

鹿谷門実から島田潔に送られてきた一冊のノベルズ「迷路館の殺人」。そのあとがきによると実際に起きた迷路館での殺人事件を小説にしたとあった。そのページを開く島田潔…

建築家中村青司が丹後地方に建てた迷路館。そこは老大家といわれる本格ものの推理作家宮垣葉太郎の館となっていた。
引退を決意した宮垣は、還暦記念のパーティと称して迷路館に弟子の推理作家4人と編集者の宇多山英幸とその妻桂子、評論家の鮫島智生、推理小説愛好者代表島田潔を招いた。
ほかには宮垣の秘書井野満男と通いのお手伝い角松富美が、その日館にいた全員である。最初の日の夜、夕食の直前になって皆が集う大広間に秘書の井野が駆け込んできた。
そして井野は宮垣葉太郎が先ほど自殺したと告げ、一同を宮垣の死体のある部屋に案内した。そこには宮垣の主治医である佐藤医師も呼ばれており、宮垣の自殺を肯定した。

唖然とする一同にさらに衝撃的な事が起きた。宮垣は遺言をテープに残していたというのだ。そのテープには…
宮垣の数億円の遺産を二分割し、半分は基金を創設して宮垣賞を設ける。残り半分は弟子の4人のうち一人に譲りたい。ついては4人はこれから5日間のうちに100枚の本格推理小説を書き、その後に宇多山、鮫島、島田の3人がその審査にあたる。最優秀者に半分の遺産を全て譲る。
条件は迷路館を舞台とすることと、人物は迷路館にいる人間だけを使うこと、そして被害者は自分自身とすることと吹き込まれていた。
この異常な提案に面食らった一同であったが、死者の意を尊重しようとの大勢で、異様なコンテストが行われることになった。
弟子の4人須崎昌輔、舟丘まどか、林宏也、清村淳一の部屋にはワープロと紙、それにフロッピーディスクが用意されていた。
ところが最初の夜、須崎昌輔が殺された。須崎は首を皮一枚残して切られ、頭の部分に牛の頭の剥製を置かれた姿で翌朝発見された。
この異様な姿は須崎が書き始めた小説の冒頭部分の見立てであった。須崎の小説は部屋のワープロに残されていて、それには須崎の死に様と同じ場面が描かれていた。
さらに清村、林、舟丘がそれぞれの書いた小説の見立てどおりに殺されていった。
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