地底獣国の殺人

ある事件を解決し上京した森江春策は、ついでに「あづま日日新聞」のある記事を調べるために、いくつか図書館を廻った。森江の行く先々の図書館に必ず現れる黒眼鏡の老人がいた。やっと記事を探し当てた森江に、黒眼鏡の老人が話しかけてきた。
その老人が語るのは、森江の捜していた「あづま日日新聞」が企画した海外探検団派遣の話で、それには森江春之助という春策の祖父も一員として参加していた。そして老人は世にも不思議な話を語るのだった…

昭和10年の後半、競争相手の仮名文字新聞に遅れを取った「あづま日日新聞」が企画したのは、ノアの方舟探検隊という企画であった。
ノアの方舟がたどり着いたというアララト山頂で、方舟の片鱗を見つけようとするもので、そのメンバーは大日本民族会の学者鷲尾哲太郎とその助手浅桐悠子、古地質学の山名杏平、新聞社からは折竹十三、神山浩、森江春之助の3名、ほかに通訳が1名であった。
探検隊は飛行船でアララト山頂に向うことになっていて、元海軍飛行船隊の伊庭本大尉と谷丸兵曹が飛行船担当としてメンバーに加わった。
一行がトルコに入りアララト山を望むドゥバヤジットで最終準備をしていると、飛行船が謎の集団に攻撃される。機転で攻撃は回避したが危うく計画が頓挫するところだった。
この攻撃回避に協力した謎の外国人モービルとトルコ陸軍のメフメット中尉をドゥバヤジットでメンバーに加えた一行は、飛行船でアララト山に向った。
飛行船がアララト山の上空に達すると、突然飛行船の制御が利かなくなり、船は急降下を始めた。そしてアララト山の火口の中へと降りていく。
なんとアララト山の中は空洞で、その中には密林が生い茂る不思議な世界があったのだ。飛行船はその中に不時着するが、周囲の植物は古世代のものであった。
そしてそこは恐竜が跋扈する原始世界であった。唖然とする隊員たちだが、やがて鷲尾博士が恐竜に襲われて重症を負い、その傷が元で死去。
さらに通訳が肉食恐竜に食べられてしまう。そして隊員たちは一角獣に乗ったすべら髪の人間達に捕らえられて監禁されてしまう。
まるでSF小説ロストワールドそのままの世界が展開されるのだった…
島田荘司と新本格作家のメインページにもどる
Mystery Collection Mainへもどる


Last modified -