千一夜の館の殺人

数理情報工学の世界的権威であった久珠場俊隆博士がアメリカで客死した。博士は結婚しておらず、その100億円ともいわれる莫大な遺産は弟の豊樹と2人の妹雅重と寿美が相続することになった。
さらにもう1つ、博士の業績である次世代を担うとされる量子コンピューターの開発研究の最高の部分を収めたディスクが、博士の恩人是藤亮逸氏の血を引く直近の相続人に贈られた。
この直近の相続人とは、現在判明しているところではその曾孫にあたる池浦紗世子であった。沙世子は大阪の弁護士で多くの事件を解決した探偵でもある森江春策の事務所に勤務し、春策の助手を務める新島ともかの親戚でもあった。
博士の遺産相続に関する手続きは、ひょんなことから森江春策がつとめることになるのだが、その遺言発表の数日前にともかと森江春策の前で沙世子が襲われるという事件があった。
沙世子はその事件では軽症だったが、その後歩道橋から何者かに突き落とされて意識不明の重体となってしまった。ともかは沙世子の持ち物から沙世子が博士の遺産がらみで命を狙われていると考え、森江春策事務所から強引に休暇を取って沙世子に化けて探偵をはじめる。

おあつらえ向きに沙世子に化けたともかのことを博士の妹である寿美が気に入り、都下武蔵野市にある寿美の家に下宿させてくれることになった。
ともかは寿美の家に下宿して一族の人間の様子を探り始めるが、博士の長女の雅重から家に来るように誘われる。これ幸いとともかは雅重の誘いに乗って、雅重の家に行くが何者かに殴られて気絶させられてしまう。
離れの茶室にいるという雅重の伝言によって茶室に行ったものの、その茶道口もにじり口も外から開かず、ウロウロしているときに襲われたのだ。
気がつくと警察が来ており、茶室の中では雅重が殺されていた。驚くともかを疑る警察。しかも茶室は密室ではなく、茶道口のふすまは何の問題もなく開いたという。
この事件を皮切りに次々と久珠場一族の人間が殺されていく。そして新島ともかにも危機が迫るのだが…
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