ペルシャ猫の謎

国名シリーズの第5作目で、名探偵自筆調書として書かれた「猫と雨と助教授と」をボーナスとして収録。
切り裂きジャックを待ちながら
劇団屋根裏の散歩舎がクリスマスイブから2日間公演する「切り裂きジャックを待ちながら」の主演女優鴻野摩利が誘拐されたらしい。
22日から摩利の姿が見えず、芝居は代役を立てたが、その後摩利のビデオが届いた。ビデオの中で摩利は椅子に縛られ、1千万円用意してくれと訴えていた。誘拐犯に言わされているらしい。
しかしビデオが撮影されたのは劇団が借りている道具用の倉庫。このビデオを巡って劇団内は狂言とする者と本当の誘拐とする者に意見が分かれる。
意見は対立したままで舞台稽古は続けられたが、稽古の途中に舞台の道具のツリーの天辺から摩利の血まみれの遺体が吊り下げられているのが見つかって…

わらう月
オーストラリアで起きた殺人事件の容疑者は日本人の男。その男はオーストラリアで知り合った幼馴染とマリンビーチをドライブしていたとアリバイを主張。
現地警察から依頼を受けた日本の警察は、容疑者の幼馴染の女性のところにアリバイの確認に行くが、そこで証拠の写真を見せられる。ところが写真は…

暗号を撒く男
広い自宅に住んではいるが、結婚しそびれ中年に差し掛かってしまった男。本人には結婚願望があったが、生真面目で不器用で、それが婚期を逸した理由というのが周囲の評。
その真面目男が会社を無断欠勤し、会社の人間が様子を見に行ってみると、少し開いたカーテンの隙間から、鋏を喉に刺されて血まみれになって絶命していた男が見えた。
男の家には廊下に牛革の鞄が置いてあったり、キッチンのテーブルにこけしが2つ乗っていたり、リビングに鋏が二丁置かれていたり、和室の床の間には皿が2枚飾られ、寝室の枕もとには破魔矢があり、トイレにはウールのセーターが畳まれてという具合に、なぜこんなものがこんなところにという状態だった。いったい、これらの不可思議な品物の意味するところは…

赤い帽子
梅雨の集中豪雨の朝、大阪市内の木津川に浮いていた男の死体。身元を示すものはなく、どこの誰ともわからなかったが、警察の捜査で身元が判明。大分から出てきた赤松永作という男だった。
赤松はかつて大阪に住んでいて、その後父親のいる大分に移ったが、久しぶりに休みととって土地勘のある大阪に遊びに来ていた。
赤松は前夜ホテルにチェックインした後、赤いハンチング帽を被って外出した。夜遅く、死体発見現場から少し離れたスナックで、男と2人で飲んでいたという。
そのとき2人の間にはビオラがどうとかいう話が出ていたようだが、そのスナックを出てからの2人の足取りはわからなかった。警察はスナックに一緒にいた男を捜しにかかるが…

悲劇的
火村助教授のところに提出されたレポートはどれもこれも酷いものばかり。中でも最も酷いのが悲劇的と題されたわけのわからないもので…

ペルシャ猫の謎
3ヶ月ほど同棲していた女がペルシャ猫のペルを残して出て行った。女に捨てられた形の喜多嶋一充とペルは同病相哀れむ雰囲気で暮らし始めた。一充は女に捨てられた後、会社が倒産し、中の悪い双子の弟一孝から借金を申し込まれるなど散々な目にあっていた。
会社が倒産して家でごろごろしていた一充が、侵入してきた何者かに襲われる事件が発生。頭を強打され気を失っただけで命は取りとめたが、一充は薄れていく意識の中で、弟の一孝がペルを抱いて家を出て行く姿をはっきり見たという。
しかし、その時間の一孝にはアリバイがあり、ペルもその時間は近所の家にいたというアリバイがあったのだった。


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