英国庭園の謎

英都大学助教授火村英生とその親友の推理作家アリスこと有栖川有栖が探偵役となる短篇集で、国名シリーズの第4作目。
雨天決行
公園のあずまやのベンチの陰で見つかった女の死体は、エッセイスト白石七恵のものだった。白石が殺された夜、この付近は雨が降っていたが、それがあがり30分ほどしてパトロール中の警察官によって死体が見つけられた。
現場の土の部分には女性のパンプスと思われる足跡があったが、不鮮明なもので白石のものとは判断できなかった。白石は殺される2時間ほど前に友人と食事をしており、その後公衆電話で誰かに「そっちの方はいいは。雨天決行よ」と電話をしていた。火村とアリスは電話での謎々のような言葉は何かと考えるのだが…

竜胆紅一の疑惑
流行作家竜胆紅一は、ここ4年ほど新作を発表できない状態に陥っていた。大スランプというより、精神的に追いつめられ被害妄想になっているという状態だった。家族が竜胆の死を願っていて、命を狙っていると言うのだ。
事実、竜胆が睡眠薬を飲んで1人で寝ていた時に放火事件が起きていた。事件は幸いボヤで済んだが、竜胆は消火活動が終わってもまだ睡眠薬が効いて眠り込んでいた。竜胆によれば、これも家族が竜胆の命を狙って起こした事件だと言う。
竜胆は火村の犯罪学者としての噂を聞いて編集者を経由してアリスに頼み、火村に話を聞いてほしいと言ってきた。火村はアリスの頼みを断れず、竜胆の家にいったのだが…

三つの日付
婦女暴行容疑で逮捕されて容疑者は、指紋から3年前の3月22日に、ラブホテルで発生した女性殺害事件の犯人と目された。だが、その容疑者は犯行を否認し、アリバイを持ち出した。そのアリバイとは1枚の写真。容疑者とアリス、それにアリスの友人の作家と喫茶店のマスターの4人が写った写真。写真の日付は3年前の3月22日だった。
警察と火村はアリスを呼んで事実の確認を求めたが…

完璧な遺書
俺はついカッとして部屋を訪れた寿々木忍の首を締めて殺してしまった。忍の死を自殺に見せかけるために、俺は遺書を偽造する。
ワープロ派だった忍の遺書を偽造するのは難しくなかった。最後の部分は俺のところに来た、忍からの絶縁状に近い手紙を使った。
その手紙を3枚目にし、前の2枚をワープロで打って偽造したのだ。忍の専用便箋は、過去の手紙の中にある白紙を利用した。
そしてその遺書を京都で投函し、忍の遺体を忍の別荘のある木曾の別荘に運んで縊死に見せかけたが…

ジャパウォッキー
火村とアリスがジャパウォッキーとあだ名する精神を病んだ男山沖から火村とアリスに電話があった。そこで山沖は妄想語とも言うべき言葉を並べる。
「昨日はナハの日で、あさってはワッカナイの日だ」という具合だ。山沖は電話をした前日に、大阪で傷害事件を起こしていた。このままでは山沖は再び暴走する気配がある。なんとか山沖を捕まえなければ…

英国庭園の謎
引退した実業家で富豪の緑川隼人は、大阪府下の広大な屋敷に住み、その庭園は英国庭園として有名であった。
緑川氏は宝捜しやゲームなどが大好きで、この週末も親類や知人を大勢集めて宝捜しイベントを行った。宝は何かを言わずに、宝のありかを「星もない空に 血色に染まる夜明けに 聴こゆは ひめやかなワルツとポルカ・・・」と続く暗号文で示した。
参加者たちは半分はいやいやながら、庭園中を駆け回るが宝は見つからず、その間に当の緑川氏は書斎の椅子の上で何者かに殺されていた。
テーブルにあったガラス製の灰皿で殴られたもので、一見眠っているような表情であった。緑川氏を殺したのは誰なのか…


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