ブラジル蝶の謎

国名シリーズ第3弾「ブラジル蝶の謎」を始めとする、英都大学助教授火村英生とその親友の推理作家アリスこと有栖川有栖が難事件に挑む短篇6篇。
ブラジル蝶の謎
サラ金のオーナー社長が病死した。社長には喧嘩別れした弟がいたが、社長は死の直前に和解をしたいとの郵便を出し、遺言めいたこともそれには綴られていた。
社長の弟は変わり者で、瀬戸内海の島にたった一人で世捨て人のようにして暮らしていた。俗世を嫌っていたのだが、兄から謝罪の手紙を貰い、遺言めいたことが書かれているので十数年ぶりに島を出て兄のもとに向った。
兄は既に死んでいたが、その妻や兄の会社の副社長、弁護士らと今後について話をした。話はつかず弟は兄の家に一人で泊まることになったが、今度はその弟が何者かに殺されてしまった。
そして弟が殺された部屋の天井には、兄の趣味で蒐集したアマゾン地方の蝶アグリアスが所狭しとピンで留められていた。額に入れて飾られていたコレクションを、わざわざ額から出して天井に飾ったのだ。犯人はなぜそんなことを…

妄想日記
深夜の邸宅の庭で火に包まれて焼け死んだ男。その男は邸宅に住む精神科医の義理の息子で、自身が起こした交通事故がもとで分裂症になっていて、失語症になっていた。
男は灯油をかぶって焼身自殺したものと思われたが、検死の結果頭に傷があり、殺された後に火をつけられたと判明した。現場に呼ばれた火村とアリスは…

彼女か彼か
女装趣味の男剣崎が部屋で殺された。剣崎は普段は男として生活していたが、女装した姿は美しく大半の人間が女とみまちがえるほどであった。
容疑者は3人。婚約者を剣崎に奪われた女蒲池由真、剣崎の父親の隠し子を名乗り父親の遺産相続で揉めていた川端研、剣崎の父親を長年面倒見てきたが遺産をもらえない従姉の剣崎梗子。
剣崎は殺される前夜、蒲池の部屋に泊まっていた。蒲池によれば恋人の問題で話し合い、そのまま部屋に泊めたということだった。もっとも蒲池は剣崎の死を聞くまで、剣崎を女と思っていたようだったが…
蒲池の部屋から帰る剣崎の姿は複数の人間に目撃され、そのまま部屋に戻ったところを殺されたらしい。しかし3人にはアリバイがあった。では剣崎を殺したのは…

伊豆にある会社社長の別荘のプールサイドで頭を殴られて殺されていた社長秘書。別荘には秘書のほか社長の姉と妻がいたが、3人は前夜隣りの別荘の女主人の誕生パーティに出席していた。
パーティが終わって別荘に戻り、深夜何者かに殺されたらしい。そして死体の傍らには小さな鍵が落ちていた。
社長の妻によるとその鍵は宝石箱の鍵というが、玄関に飾ってあった宝石箱はなくなっていた。宝石箱もその中身も入っていたのは思い出の品だが、金銭的にはほとんど価値のないものだった。
犯人は秘書を殺し、ほとんど無価値な宝石を盗み、さらに鍵を捨てたのだろうか?では、なんだってそんなことを…

人喰いの滝
人喰いの滝と呼ばれる岩手県の山中にある滝。滝の少し上流にある一軒の家で一人暮らしをしていた老人が、雪の降り積もった朝、河原の岩の上に落ちて死んでいるのが発見された。
発見者は川の対岸の廃屋で映画の撮影をしていたロケ隊の一人。老人のところに撮影に使う品物を借りに来て死体を見つけた。
老人の家から川までは、老人のつけたと思われるゴム長靴の足跡と、発見者の往復の足跡だけ。老人は川まで行って足を踏み外したか自分で飛び込んだとしか思えなかったが…

蝶々がはばたく
学生運動華やかりしころ、伊豆の海辺の民宿で学生運動の闘志とその恋人だった女学生が行方不明になった。民宿の周囲は一方が海に面した砂浜で、残る三方が土であったが、前夜の雨で土がぬかるみ窓から外に出れば必ず足跡が残ってしまう。
残るは表と裏のドアだけだが、これが古い民宿で開けるたびに大きな軋み音がして、夜中でも人知れず出入りするのは不可能。その民宿からドアを軋ませもせず、足跡も残さず2人は消えてしまったのだった。しえず刃問うh氏と尼崎アルカディアホール・オクトは文字通り八角形をしたホールで、その完成記念の杮落とし公演に、アリス作


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