マレー鉄道の謎

臨床犯罪学者、英都大学助教授火村英生と推理作家有栖川有栖は、旧友の華僑衛大龍をマレーシアに訪ねた。衛大龍はマレーシアのリゾート地キャメロン・ハイランドで、ロータス・ハウスというゲストハウスを経営していた。
ロータス・ハウスに滞在をはじめて2日目、火村と有栖はジョンの経営するカフェで喧嘩に遭遇する。一人はマレー人でワンフーという名で、もう一人は津久井航という日本人のバックパッカーであった。
喧嘩の原因はワンフーの妹シャリファに、津久井がストーカー紛いのことをしたとして、ワンフーが怒ったのだ。その場は火村が間に入って喧嘩は収まった。
ワンフーは短気でろくに働きもせず、妹のシャリファがキャメロン・ハイランドでレストランやスナックを経営している百瀬虎雄の邸で働いていた。
その百瀬とひょんなことで知り合いになった火村と有栖は、ある日のこと百瀬の邸に午後のお茶に呼ばれた。そこにカフェの経営者ジョンがやって来た。

百瀬の敷地に置き去りにされているトレーラーハウスを見に来たのだ。そのトレーラーハウスは、かつて百瀬が金を貸した相手が金を返済できなくなり、そのかたにと半ば強引に置いていったのだった。
百瀬にしてみればトレーラーハウスを押し付けられたような格好で、使いようもなく放置されていて、中にはソファとキャスター付きのキャビネットと民芸品を並べたショーケースだけがあった。
そんな状態だったので、トレーラーハウスを誰かに譲りたかったのだが、ちょうどジョンに譲る話が出て、それをジョンが下見に来たのだ。
ジョンがトレーラーハウスを見に行って、すぐに様子がおかしいと戻って来た。窓もドアも開かず、窓から中を覗くと血のようなものが見えるというのだ。
火村たちもトレーラーハウスに駆けつける。トレーラーハウスの窓もドアも開かなかったのは中からガムテープで目張りがしてあったからだった。
力を込めてドアを引くとテープがはがれてドアが開いた。中に入ってみると、床には流れた血が乾いていた。そしてキャビネットを開いてみると、そこには胸をナイフで刺されたワンフーの死体が入っていた。
島田荘司と新本格作家のメインページにもどる
Mystery Collection Mainへもどる


Last modified -