月光ゲーム

副題は「Yの悲劇'88」で創元社の鮎川哲也と十三の謎の第4回配本作品。火山の噴火によって外部と遮断されたキャンプ場で起きる連続殺人とYとだけ書かれたダイイングメッセージがメインテーマ。
英都大学推理小説研究会の江上部長、1回生の部員有栖川有栖ら4人は長野県と群馬県の境に聳える矢吹山にキャンプに出かけた。
かつて矢吹山はキャンプに来る人で賑わったが、山が10年ほど前に噴火したあとはキャンプに訪れる人もほとんどなく、寂れてしまった。
英都大学推理小説研究会は、それを狙って今回キャンプに来たわけだが、ほかに雄林大学のウォークというキャンプやハイキングの同好会の7名のグループ、同じ雄林大学の法学部の男性3名のグループ、神戸の神南学院短大の女性3名のグループと一緒になる。
偶然にもキャンプ村の様相を呈し一緒にゲームをしたり、食事を共同で作ったり、キャンプファイヤーをしたりして意気投合していった。
キャンプ3日目の朝、神南学院短大のグループの一人山崎小百合がメモを残して、朝早くに一人で下山していった。それまで何事も無くキャンプを楽しんでいた小百合の行動に一同首を捻っていると、いきなり矢吹山が噴火を始めた。

降ってくる火山弾を避けて林に避難する一同。噴火は30分ほどで収まったが、道ががけ崩れで塞がれて下山できなくなり、一同はキャンプ地に閉じ込められてしまう。小百合も時間的にいって無事に下山できたかどうかわからなかった。
昨日までの和気藹々とした楽しい雰囲気がたちまち重苦しくなる。そして4日目の朝、ウォーク戸田文雄の死体が林の中で発見される。
文雄の死体はナイフで胸を刺され、そのナイフは現場になく、そして土の上にはダイイングメッセージのYが残されていた。一同の間に一挙に緊張が高まり、喧嘩も起きる。
4日目から5日目にかけて再び噴火がおき、雄林大学の法学部のグループの一色尚三の行方がわからなくなる。翌朝さらにウォークの北野勉が胸を刺された死体で見つかった。
勉はスケッチをしているときに刺されたらしく、勉のスケッチブックにはyの字が書かれていた。楽しかったキャンプで2人が死に、2人の行方がわからなくなり、そして矢吹山は噴火を繰り返し、一同には疲労の色が濃くなり、それとともに猜疑心が膨らんで…
島田荘司と新本格作家のメインページにもどる
Mystery Collection Mainへもどる


Last modified -