双頭の悪魔

英都大学推理小説研究会の有馬麻里亜(マリア)は、嘉敷島での事件のショックから一人旅に出て、四国山地の山奥にある木更村に辿りついた。
木更村は廃村になっていた村を資産家の木更勝義氏が買い取り、市井の埋もれた芸術家達を集めて周囲から隔絶した空間として創立した芸術家村であった。やがて勝義氏が死去し、夫人の菊乃が現在は芸術家達のパトロンとして村を運営していた。
木更村は暴れ川の龍森川を挟んで過疎の村夏森と接していたが、両者を繋げるものは龍森川に架かる木橋だけで、橋の木更村側の袂にはハードルがあって村への部外者の侵入を硬く拒んでいた。
村にはピアニストや元アイドル歌手、画家、舞踏家、調香家など菊乃を含めて11名が協同で生活していた。そこにひょんなことからマリアが侵入し、追い出されかけるが怪我をしてしまって、それをきっかけに村に居ついてしまったのだ。
このことを知ったマリアの両親はマリアを迎えに行くが会っても貰えず、英都大学推理小説研究会の江神部長や有栖川有栖(アリス)たちにマリアとの接触を頼んできた。

江上やアリスたちは豪雨の中、夏森までやってきてそこの唯一軒の宿に足場を置いて、木更村に向ったが芸術家達に追い返されてしまう。
電話をしてもマリアに取り次いですらもらえず、仕方なく夜間に潜入作戦を敢行し、江神部長がマリアとの接触に成功する。アリスらは潜入の途中で見つかり、夏森に強制送還される。
この時点で木更村にはマリアと江神、夏森村にはアリスたちと分かれた。この直後に木更村内の鍾乳洞で画家の小野博樹が殺された。
小野は鍾乳洞に壁画を描いており、それを描いている途中に何者かに襲われたらしい。死体には香水が降りかけられ、右耳が削ぎ落とされていた。
小野は木更菊乃と婚約したが、相当の野心家で木更村を観光地として解放しようと考えていて、ほかの村民達と対立していた。小野を殺す動機のあるものは結構多いのだが…
小野の死を巡って村内で議論が交わされ、暫く死は秘されることになったが。その直後に豪雨が元でおきた鉄砲水で木橋が流され木更村は孤立してしまう。
一方、夏森では木更村が孤立した日の夜、アリスたちと同宿のカメラマン相原直樹が殺されているのが見つかった。相原の死体は廃校になった小学校に放置されていた。
相原は木更村に潜入して写真を撮り追い返されていた。木更村と夏森の間は橋が流され行き来できない状態で、相原を憎む木更村の人間は夏森で相原を殺せないはずであった。
お互い連絡できずに、それぞれ殺人事件を抱えたマリアとアリスだったが…
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