海のある奈良に死す

ミステリ作家有栖川有栖は出版社で同業の赤星楽に会う。赤星は「行ってくる、海のある奈良へ」と言ってアリスと別れる。海のある奈良とは、福井県小浜のことで、寺が多いことで古くからそう呼ばれていた。
翌日、小浜の先の海岸の岩場で赤星の死体が海上保安庁の調査船によって発見される。赤星と最後に話をしたアリスは、友人の犯罪心理学者火村英生とともに、赤星の死の謎を追って小浜に向う。
小浜では赤星が使ったと思われる、出版社のテレホンカードが公衆電話から発見された以外は、赤星の足跡は何もなかった。赤星は予約したホテルにすら泊まっていなかったのだ。
ひょっとすると赤星の言っていた海のある奈良とは小浜のことではないかもしれないとアリスたちは考え始める。

そんな矢先、今度は赤星の従弟近松ユズルが死んだ。近松はシレーヌ企画というプロダクションで働いており、シレーヌ企画では赤星の作品もシネマ化されていたし、アリスの作品のシネマ化も企画されていた。
赤星は近松とはよく会っていて、アリスも小浜に行く前に近松にあって赤星の死について話を聞いたのだが、近松は何も思い当たることはないと言っていた。
近松はアパートの自室でウイスキーを飲んで死んでいた。ウイスキーには致死量の青酸カリが混入されていて、自殺か他殺かはわからなかった。
だが、ウイスキーは赤星があるところから貰ったもので、節酒を始めた赤星がそれを近松に譲ったことや、近松は洋酒党ではなく、普段はあまりウイスキーを飲まないこと、近松を狙った犯罪のとばっちりで死んだものと考えられた。
ところが火村は、近松が死の直前にスプラッターホラーのビデオを借りて見ていたことから、その死に疑問を抱く…
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