孤島パズル

英都大学推理小説研究会の江神二郎部長と有栖川有栖、有馬麻里亜の3人は、奄美大島の南50Kmに浮ぶ孤島嘉敷島で夏休みを過ごすことになった。
嘉敷島は鎌か牛の角、あるいは三日月のような形をした小さな島で、懐に海を抱き込むように左右から岬が湾曲して伸び、その岬に二軒の家があった。
2つの家は島の外周に沿った道路で結ばれているだけで、他には何もなかった。西側の家は望楼荘といい、麻里亜の父有馬竜一の別荘であった。
竜一と養女の礼子、竜一の次男和人、竜一の義兄にあたる牧原完吾とその娘須磨子、須磨子の夫純二、竜一の異母弟犬飼敏之と妻里美、竜一の主治医園部裕作、それに麻里亜、二郎、有栖の3人を加え12人がひと夏を過ごす。
東側の岬にある家を魚楽荘といい、こちらは望楼荘と対照的に画家の平川至が一人で過ごしていた。

有栖たちが麻里亜に誘われて嘉敷島で夏を送るのは、島にあるモアイ像のパズルを解くためであった。この島を買った竜一の父親はパズル好きで、財宝を島のどこかに隠し、隠し場所を島に立てたモアイ像で示すパズルにして死んでいった。
モアイ像は木を彫って作った簡単なものであったが、島中に25体も立てられ、それぞれ微妙に顔の向きが違っていた。3年前に竜一の長男英人がパズルを解いたらしいが、その直後海で溺れ死んだ。パズルを解いて財宝を探しに行く途中で溺れ死んだものと考えられた。
当時英人は礼子と婚約中であったが、この不慮の死にあい、それを哀れんだ竜一が礼子を養女にしていた。

島に着いて二郎、有栖、麻里亜の3人はモアイ像のパズルを考え始めるが、島ではそれをよそに連続殺人事件が起きる。最初に殺されたのは牧原完吾とその娘須磨子。部屋の中でライフルで撃ち殺されていた。しかも部屋は内側から落とし錠が掛けられた密室であった。
次に殺されたのは魚楽荘の平川至。やはりライフルで撃ち殺されていた。犯人は島にいる10人の中にしかいない。緊張感が高まる中、今度は和人が死んだ。和人は全ての罪を告白するワープロの遺書を残していた。全ての罪とは今回の3人だけでなく、3年前に兄の英人も殺したというのだった。
手にはピストルを持ち、覚悟の自殺と思われたが二郎は和人の死は状況から他殺だという。すると犯人は残る9人の中に…
有栖川有栖の長篇第2作で、第1作の「月光ゲーム」に続く学生アリスシリーズ。
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