46番目の密室

密室を愛し、密室を憎む、すべての人々に……
日本のディクスン・カーと呼ばれる推理作家真壁聖一は、長短篇合わせて45もの密室トリックを使った作品を発表し、その作品は海外でも翻訳されてファンもいるほどであった。
北軽井沢にあるその真壁の家でのクリスマスパーティに、同業者の私…有栖川有栖と臨床犯罪学者火村英生が招かれた。ほかの招待客は推理作家の高橋風子と石町慶太、編集者の杉井陽二、船沢辰彦、安永彩子の5人。パーティには、聖一と同居する妹佐智子とその娘真帆、聖一が引き取って育てている高校生の桧垣光司が加わった。
パーティの席上で聖一は46番目の密室の執筆に掛かっているが、これを最後に密室ものは書かないと宣言し、皆を驚かせた。そして、その夜聖一は密室で殺された。
聖一の死体があったのは地下の書庫。中から掛金がかけられていて暖炉に上半身を押し込められて、火をかけられて顔が見分けられないほど焼かれているという無残な姿であった。
さらに一階の書斎では、こげ茶色のブルゾンを着た初老の男が同じく密室で殺されていた。こちらも中から掛金がかけられ、聖一と同じく上半身を暖炉に押し込められて、火をかけられて顔を焼かれていた。
書斎で死んでいた男は前日に聖一の家の周囲を歩いているのを目撃されており、別称荒しかもしれないというので聖一の家でも戸締りを厳重にしていたところであった。もちろんそのブルゾンの男には誰も心当たりがなかった。
正体不明のブルゾンの男と聖一は、聖一が考え出した46番目の密室トリックで殺されたのだろうか…

推理作家有栖川有栖と臨床犯罪学者火村英生の初登場作品。あとがきでの作者の言葉…ディクスン・カーとエラリー・クイーンの混血児を創りだそうとした、というよりもクイーン風の犯人捜しプラス密室というのが実体だ。
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