光る地獄蝶

ひょんなことから横浜の探偵事務所のアルバイトをすることになった栗村夏樹は、保母志望の短大生。剣道三段の腕前で、祖師谷警察署の道場で男性警官相手を打ち負かすほどの腕前だった。
さて、夏樹は事務所長の喜多見から女子中学生の尾行を命じられた。尾行対象は神奈川県下でデパートやスーパーを経営する久住家の一人娘あずさ。
あずさは横浜では有名なお嬢様学校に通っており、毎日運転手つきの車で通学していた。しかし夏樹が尾行を始めた日は、いつまでたっても学校から出てこなかった。
いいかげん待ちくたびれたころ、やっと迎えの車が来て、ほぼ同時にあずさが友人と校門から出てきた。あずさと友人が乗った車は山下公園前で止まり2人は降りた。そして友人は県民ホールのコンサートへ、一方あずさは山下公園前で人を待ち続けた。
夏樹は道路を挟んであずさを監視したが、なんと6時間たってもあずさは動こうとしなかった。そろそろ待つのも限界かというころ、一台の車が現れ男2人が降り立ち、あずさをさらおうとした。
一瞬迷った夏樹だったが、ほおってはおけずにあずさを助けに走る。なんとか男を撃退しあずさを助けだした。あずさは目が悪く、特に夜間はほとんど見えないらしかった。それもあってあずさは夏樹を男と勘違いしたようだった。
この話を聞いた喜多見は、さっそくあずさに接近を命じた。そして久住家にまつわる事件を知った。あずさの父は満は5年ほど前に「光る地獄蝶を見た」という謎の遺書を残して自殺していた。
さらにヒサスミ百貨店では、現社長であずさの義父の富士男一派と専務の南条一派が派閥争いをしていた。南条一派は富士男追い落としのため、喜多見に富士男のスキャンダルを探るように依頼していたのだった。
夏樹は喜多見から久住家の富士男の電話に盗聴器を仕掛けるよう命じられる。さすがに夏樹も断ったが、ことはあずさの運命も左右するといわれ、仕方なく引き受ける。
だが、それからしばらくして喜多見の死が知らされた。多摩川の河川敷で頭を殴られた喜多見が見つかり、病院に運ばれるる途中に死んでしまったのだ。

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