0の殺人

主要な登場人物は4人、富豪の老婆藤田カツ、カツの甥串田辰夫、カツの姪で辰夫の妹串田浩子、カツの弟三浦源治。
1989年2月5日、日曜日、午後7時、藤田カツの屋敷に辰夫、浩子、源治が集まり、カツの喜寿の祝が開かれた。やがて食事が終わってカツがひと足先に部屋に引き揚げる。
残った3人にはコーヒーが出され、そのコーヒーを飲んだ串田浩子が突然苦しみだし、あっと言う間に死んだ。こぼれた浩子のコーヒーからは青酸が検出された。
ほかの2人は同じコーヒーを飲んだが無事であった。青酸は角砂糖に入っていた可能性が高いが、確かなことはわからなかった。

1989年3月23日、木曜日、午前1時、2軒のアパートが隣り合って建っている間にある、狭い隙間。人一人がやっと通れるくらいの幅しかない。その隙間に串田辰夫の遺体があった。
辰夫はアパートのうちの1軒に住んでいて、その屋上から飛び降りたらしい。しかし屋上に出る階段には人がいて、辰夫が屋上に上がることは不可能だった。隙間に面して窓はない。
辰夫が飛び降りることは不可能であったが、痕跡や死体の状態からいって辰夫が屋上から落ちたことは間違いない。
1989年4月11日、火曜日、午後7時57分、三浦源治の乗った羽田発大阪行きの飛行機が爆破された。生存者は奇跡的に50名いて、その中のスチュワーデスの証言で、源治が乗っていたことは間違いない。源治は行方不明者のリストに入った。
その日の夜、もう少し遅い時間に藤田カツの屋敷に泥棒が入ったらしく屋敷は荒らされたうえに、カツの胸にはナイフが突き立っていた。
カツは死んだが、ナイフが突き立てられたのは死後1時間ほど経ってからだった。カツの死因は心不全で自然死だったようだ。泥棒はカツが死んでいるとは思わずにナイフを突き立てたようだ。
ついにカツの一族は全て死に絶えてしまった。一連の事件を捜査した速水警部補は途方にくれて、弟の慎二や妹のいちおに事件の相談をするが…
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