少年探偵団シリーズは、戦前から戦後に掛けて少年雑誌に連載された少年向けの作品で、第5巻「大金塊」を除いては稀代の盗賊怪人二十面相(のちの四十面相)対名探偵明智小五郎とその配下の小林少年を団長とする少年探偵団の戦いを描く。第5巻「大金塊」に怪人二十面相が登場しないのは戦争の影響。
変装が得意で、どんな人間にも上手に化ける二十面相、そんな人間がいるのかと思ってはいけない。当時の日本は街灯もほとんどなく、町全体が薄暗くて多少似ていれば誤魔化せたのだ。
少年探偵団など児童福祉法に違反するのでは、などと考えてはいけない。戦争孤児が町に溢れ、野宿をしなければならない少年が沢山いたのだ。
ましてや、二十面相はどうやって生活の糧を得ていたかなど絶対に考えて読んではいけない作品なのだ。

最初の頃の作品はともかく、中盤以降はほとんどがマンネリで、まず二十面相が盗みを予告してわざわざ仕事をやりにくくする。それに対して明智や少年探偵団、警察陣は警戒態勢に入るのだが、水も漏らさぬどころか必ずアナがあって、時には余計なことをしばしばして、かえって二十面相の手助けをしてしまい、二十面相は仕事が予告通り上手くいって得意になる。
このあたり明智も少年探偵団も警察も学習効果はほとんどない。したがって二十面相は相手の動きがわかっているから楽なはずだが、こちらも大盗賊にしてはかなり間抜け。
これではいけないと気づいた、気の利いた少年が大体一人出てきて(この辺は時には小林少年が勤めないと団長の権威がなくなるので、時には団長自ら勤めるが)、二十面相が逃げる車のトランクに忍び込んで隠れ家を突き止めるのだ。
二十面相はほとんどの場合それに気づかず、たかが少年に隠れ家を突き止められ、それを明智に連絡されてしまう。明智はその知らせを見て、こうなることが予めわかっていたごとく得意になって講釈する。ここで読者はあっと驚かなければいけない。それが作法だし、礼儀なのだ。
明智以下少年探偵団と警察が隠れ家を襲い二十面相を捕まえるかまたは逃げられてENDとなる。これが基本で、もちろんいくつかのバリエーションが存在して、それらを適当に組み合わせれば一冊の少年探偵団ものが出来るわけだ。

殺人は絶対に起きず、せいぜい薬で眠らされたり監禁されたり、殴られて気絶させ られたりがいいところで、こんな安心して読め、こころが休まるミステリーがあるだろうか。
水戸黄門が始まって5分も立てばストーリーがわかりそれでも45分後の印籠場面を楽 しみに見つづけるように、サザエさん一家が十数年間何も変わらない生活を続けていてそれを変と思わずに見つづけるように、少年探偵団シリーズは読まなければな らないのだ。
昔の少年たちを魅了した偉大なる物語が、今でも連綿と少年物として出版され、時には大人向けに復刻版がでるほどの長期人気を誇るこのシリーズを侮ってはいけない。
日本人の心がそこにあるのだから…最後に「明智探偵ばんざい、少年探偵団ばんざい」そして「二十面相頑張れ」
全26巻解説
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1.怪人二十面相
2.少年探偵団
3.妖怪博士
4.大金塊
5.青銅の魔人
6.地底の魔術王
7.透明怪人
8.怪奇四十面相
9.宇宙怪人
10.鉄塔王国の恐怖
11.灰色の巨人
12.海底の魔術師
13.黄金豹
14.魔法博士
15.サーカスの怪人
16.魔人ゴング
17.魔法人形
18.奇面城の秘密
19.夜光人間
20.塔上の奇術師
21.鉄人Q
22.仮面の恐怖王
23.電人M
24.二十面相の呪い
25.空飛ぶ二十面相
26.黄金の怪獣

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