ロナルド・A・ノックス(英、1888〜1957)
祖父や父親が司教だった聖職者一家に生まれたノックスは、オックスフォード大学卒業後、自らも聖職者への道を歩み1936年には英国国教会の国内最高位まで登りつめた。1939年からラテン語のウルガタ聖書の新訳に着手し、ノックス聖書として世に名高いものとなった。
一方で、ミステリも執筆し、その作品は本格ものではユーモアに溢れたパロディー風なものとなっている。シリーズ探偵は保険会社インデスクリバブル社の委託調査員マイルズ・ブリードンで、保険会社の依頼で事件に首を突っ込み解決するパターン。
また、「探偵小説十戒」でも有名で、これは探偵小説は作者と読者の間での知的なゲームであるので、作者はフェアな態度で読者にのぞまなけらばならず、そのための最低限のルールを定めたものである。
作品数は少なく、また「探偵小説十戒」以外の作品はほとんどが絶版や未訳であまり作品自体は知られていなかったが、近年「閘門の足跡」や「サイロの死体」が訳出されている。

「探偵小説十戒」(要約、創元推理文庫「陸橋殺人事件」より)
1.犯人は物語の初めから登場していなくてはならない。
2.犯罪は論理的に解かれねばならず、超自然的なものによってはならない。
3.秘密の部屋や通路は、一つ以上使ってはならない。
4.新しい、未発見の毒物はだめ。
5.不吉な外国人、殊に中国人を登場させてはならない。
6.犯罪はまったくの偶然によって解かれてはならない。
7.探偵が犯人であってはならない。
8.探偵はわざと手掛かりや自らの推論を読者から隠してはならない。
9.ワトスン役がいる場合、その人物は自らの意見を隠してはならない。
10.瓜二つの双子や、そっくりさんを使ってはならない。

陸橋殺人事件…デビュー作で、4人の素人探偵の競演。
閘門の足跡…マイルズ・ブリードンが探偵役の第2作。運河の閘門で起きた若者の死。
サイロの死体…ゲーム「駈け落ちレース」の最中に一人の男がサイロの中で死んでいた。
まだ死んでいる…スコットランドの名家の息子の死体が消えたり現れたり。


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