ココナッツ殺人
To Kill a Coconut 1977
HPB1326

モイーズの13冊目の長編で、前作「死は海風に乗って」でカリブ海に浮かぶ島タンピカでの事件を解決したティベット夫妻が、今回は隣島ともいうべきセント・マシューズ島で起きた殺人事件解決のために派遣される。前作と共通する登場人物もいるが、作品としてはまったく別物。事件は政治がらみに発展し、一歩間違えば大事件に発展しかねないなか、ティベットはどう動くのか?
カリブ海にある英領セント・マシューズ島は、上流階級しか相手にしない高級ゴルフクラブの島といってよかった。そのほかにはマンゴーやココヤシの林や青い海などがるだけで、飛行場もなく、そのために変に観光地化されず、しごくのんびりした平和な島であった。
ところがある日のある事件を境に、突然きな臭くなった。ゴルフクラブで殺人事件があったのだ。殺されたのは米国のブレッド・オルセン上院議員で、ゴルフコースの一角でナタで後頭部を一撃されて惨殺された。
すぐに犯人としてサンディ・ロビンズという若い黒人が逮捕された。サンディは惨殺現場にナタを持って現れ、上院議員と一緒にいた弁護士のアルバート・ヒューバーマンを襲ってきた。ヒューバーマンは必死に逃げ、追いかけてくるサンディから逃れた。
このことはサンディ自身も認めていたし、周辺の島々では人種差別に起因する黒人による白人襲撃事件がしばしば起きていたから 、逮捕拘留は当然と言えば当然であった。しかしこれがきっかけとなって平和だった島に黒人過激派グループによる激しい抵抗運動が起きた。
このことは高級ゴルフクラブの経営を直撃した。クラブの滞在客たちが予定をキャンセルして続々と島を離れたのだ。事態を憂慮した当局は、英本国からヘンリ・ティベット主任警視の派遣を決めた。
一方島にあるホテルアンカレッジインを買い取って経営しているコルヴィル夫妻は古くからティベット夫妻とも親交があった。サンディはアンカレッジインのバーテンで、ロビンスの人柄を信じるコルヴィル夫妻は、殺人事件の犯人がサンディとはとても思えず、ティベット夫妻に来島を要請していた。
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