死の贈物
Who Saw Her Die? 1970
HPB1184

モイーズの第9長篇で、事件の舞台は英国の田舎の屋敷。そこに住む富豪の未亡人のもとに毎年の誕生日に集まる3人の娘夫婦、そして屋敷に同居する未亡人の幼馴染の夫人。そして起きる毒殺事件。まさに英国女流ミステリの王道。
水洗トイレの製造で財をなしたチャールズ・バラクラバ卿は、戦時中にドイツ軍の爆撃にあって死去してしまった。後に残ったのは妻のクリスタルと夫妻の間に生まれた3人の娘だった。
娘たちはプリムローズ、ヴイオレット、ダフォディルと花の名を名づけられたが、それぞれ外国人と結婚した。長女プリムローズはスイス人の医師エドワード・デュバルと、次女ヴイオレットはオランダ人のバラ栽培家ピート・ヴァン・デル・ホーフェンと、三女 ダフォディルはアメリカ人の台所用品製造業者チャールズ・スウォシーマーと結ばれ長女はジュネーブに、次女はオランダに、三女はパリに住んでいた。
クリスタルは富豪の未亡人としてサリー州の田舎の屋敷に住み、幼馴染のドリー・アンダーウッド=スリープという女性をコンパニオンとして同居させていた。
さてクリスタルの毎年の誕生日、3人の娘たちは夫同伴でクリスタルの屋敷を訪れるのが恒例だった。それぞれ持ってくる贈り物も決まっていて、長女夫妻がケーキ、次女夫妻がバラの花束、三女夫妻がシャンペンだった。
この年も同様だったが、例年と違うことが2点あった。ひとつは長女の夫エドワードが学会の関係でどうしても時間が取れず欠席した。そしてもうひとつはスコットランドヤードの主任警視ヘンリ・ティベット夫妻が招待されたことだった。
ティベット夫妻 の招待はクリスタルの強い希望だった。クリスタルはスコットランドヤードの副総監に連絡し、自分の命が危ないので警視夫妻の派遣を申し入れ、副総監も承知したのだ。
ところが事件は起き、クリスタルは命を落とした。シャンパンを飲み、ケーキを少し食べ、バラの花束の香りを嗅いだところで失神し、病院に運ばれたが死んでしまったのだ。当然、毒物による死が疑われたのだが、検死の結果は毒物は検出されず、同じ行動をしたほかの人間にも何ら異常はなかった。
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