死とやさしい伯父
Death and the Dutch Uncle 1968
HPB1184

モイーズのシリーズ探偵ヘンリ・ティベットは本作品から警視に昇進している。警視昇進後の最初の事件は、殺されたチンピラからやがては国際委員会を取り巻く不審死、そしてヘンリは妻のエミーとともにオランダに飛ぶ。
ピンクパロットは、二流どころの悪党が大勢出入りする怪しげなパブだった。外から見ると労働者たちが出入りする、ごく普通の店だが、悪党たちが出入りするのは階上にあるプライベートバーであった。ある夜、そのプライベートバーのトイレで一人の悪党が銃で撃たれた。
その悪党の名はフラッター・バイアーズといい、救急車で病院に搬送された後、暫くして死亡した。死の直前に「145」という言葉を数回、そして「マデリン」「フィリス」とうわごとのようにつぶやいて息絶えた。
この事件を担当することになったのはヘンリ・ティベット警視。ヘンリはさっそくピンクパロットに出向いたが、非協力的なバーのオーナーから聞き出した犯人像は、帽子を目深にかぶり、サングラスをかけ、そして誰でもはっきりとわかる付け髭をつけた中背の男というものだった。
疲れ切ったヘンリが家に戻ると、そこには国際国境訴訟委員会の通訳を務める旧知のゴードン・トラップがヘンリを待っていた。今委員会ではアフリカの小国マムベシとガルンガの国境紛争を扱っていたが、トラップは委員会の中で不審な事件が続いているというのだ。
しかしバイアーズ事件で頭がいっぱいなヘンリは、心ここに非ずの態度でトラップの話を聞き、最後は追い返すようにして別れた。その翌日、ヘンリはバイアーズのが働いていたドミニクホテルを訪ねた。バイアーズは、そのホテルの調理場で働いていたのだ。
だがそこで得られたのは、バイアーズには金が入ったばかりで、働く必要などなかったという情報だけだった。あきらめかけたヘンリだったが、バイアーズが受け持っていた145号室で、一人の男が病死していたことを知る。なんと死んだ男は国際国境訴訟委員会のメンバーのひとりであった。
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