殺人ファンタスティック
Murder Fantastical 1967
ハヤカワミステリ文庫

モイーズのシリーズ探偵ヘンリ・ティベット主任警部が活躍する第7番目の長編。地方で起きた殺人事件に駆り出されるというお馴染みのパターンだが、今回は妻のエミーも知り合いが住んでいると言うので同伴。地方のピントの少しずれた一家とのやり取りがいろどり。
フェンシャー州警察部長ジョン・アダムソン卿のもとに、クレグウェル農園の主人ジョージ・マンシプルから電話が入った。農園に付属する狩猟のための小屋を購入し、そこに住んでいるレイモンド・メイスンが銃で撃たれて死んだというのだ。
メイスンはメイスン興行という賭け屋をやっている成金で、地方名士へのあこがれもあって田舎の邸を捜していたが、経済的に苦しくなっていたマンシプルとの間で話がまとまり、農園に付属する小屋を土地付きで買い取ったのだった。
メイスンが非常に良い隣人だったのは最初の頃だけで、やがてマンシプル家の農園をすべて買い取りたいと言ってきた。マンシプルは父親の遺言もあって、絶対に農園は売らないと拒否すると、嫌がらせを始めた。
不法に道路の権利を主張していると裁判所に訴えたり、農園にあるマンシプル家の射撃場の安全性が確保されていないと州議会に陳情したりの嫌がらせはマンシプル家とメイスンの間に関係をさらに悪化させた。
それらが失敗するとメイスンは懐柔策に出た。その日もマンシプル家を訪問してジョージの妻ヴァイオレットに贈り物をしたのだった。ちょうどその日はマンシプル一族が集合する日でもあった。
ジョージの弟でブゴラランドの主教エドウィンや国立原子力研究所長クロードとその妻のラモーナらが集まり、ジョージの娘のモードの婚約者ジュリアン・マニング=リチャーズとの顔合わせを行う予定だった。
そんなかかマンシプル家を辞去したメイスンだったが、乗って来た車がすぐに故障で立ち往生してしまい、外に出てボンネットを開けて調べていて、突然歓声を上げて手を大きく振ったところを撃ち殺されたというのだ。
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