死の会議録
Death on the Agenda 1962
HPB842

モイーズの長編第3作で、ジュネーブでの国際会議で起きた殺人事件を描く。なんと今回の容疑者は会議の重要メンバーでもあるヘンリ・ティベット警部。犯人の罠とは分かっても、あらゆる証拠がヘンリが犯人であることを示している。おそらく背後には国際的な強力な組織がいるには違いないのだが…
ジュネーブで行われている国際麻薬会議の小委員会は、英国代表の委員長ヘンリ・ティベット警部のもと、米国代表ビル・パーキントン、スペイン代表ホアン・モランタ、フランス代表ジャック・ルノアール、イタリア代表アルフレドォ・スペッツィ、西独代表コンラート・ツヴェマーで構成されていた。ほかに通訳が2人に、逐語報告者が1人、それに秘書役が1人というのが事務局側で、秘密を有する重要な問題はこの10名が知る立場にあった。
事件の起きた日の前夜、一行はレマン湖畔のトルネ荘に住む米国の大富豪ポール・ハンプトン夫妻に招待された。そこでヘンリは偶然にも会議の通訳ジョン・トラップとポールの妻ナターシャが密会している場面を目撃してしまう。
その直後にポールが現れたのだが、ポールはナターシャとジョンの関係を薄々知っている気配があった。その場はそれ以上のことは起きなかったが、その直前にヘンリは委員の一人ビルから重大な話を聞いていた。
ビルが言うには会議の機密事項が洩れているというのだ。しかも内容はかなり詳細正確で、関係者が漏らしているとしか考えられないらしい。ビルは通訳のジョンを疑っていて、ヘンリからジョンのことを探ってくれないかと頼まれていた。
そしてその翌朝事件が起きた。ジョンが殺されたのだ。その朝、ジョンは委員の1人から早出を要請され、8時30分に会議場に来ていた。場内の自分の部屋に籠ってジョンはタイプを打っていた。その音が室外にまで聞こえていた。
音が停まった直後、ヘンリはジョンの部屋に入った。9時くらいのことだった。するとそこには背中を短剣で刺されたジョンの死体があり、タイプライターにはヘンリ宛の手紙があった。それにはヘンリが、この朝ジョンと会う約束であったと書かれていた。
さらにジョンの住むアパートに来て早出を要請したのはヘンリであるという証拠が現れ、凶器の短剣も昨夜トルネ荘で盗まれたものとわかり、ヘンリが第一容疑者として疑われることになってしまった。
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