沈んだ船員
The Sunken Sailor 1961
ハヤカワミステリ文庫

モイーズの第2長編で、シリーズ探偵のヘンリ・ティベット警部が活躍する。前作「死人はスキーはしない」ではアルプスで休暇中に事件に巻き込まれるが、今回も休暇でセーリングに初挑戦するため訪れた小さな海辺の村で事件に巻き込まれる。セーリングの専門用語が多過ぎて、少し辟易気味だった。
ヘンリ・ティベット警部と妻のエミーは、ほんの小さな出来事からがベンスン夫妻と知り合い、その縁で2週間の休暇をベンスン夫妻とともに過ごすためにベリイブリッジに出かけた。アラステアとローズマリのベンスン夫妻はセーリングが趣味でアリアドネ号という船を持っていたのだ。
ベリイブリッジは人口47人という小さな村であったが、そこに住む人々は皆海や船が大好きだった。だが小さな村ではよくありがちなように、皆のいいところも悪いところもすべて見えてしまい、表面上はともかく裏面では好き嫌いが管理人間関係を左右していた。
そんな村だったがティベット夫妻は歓迎され、夫妻もすぐに慣れていき、最初は船に乗るのも物怖じしたが、すぐにいっぱしの船乗りのような気分になって行った。夜は夜で村にただ一軒の酒場であるボブ・キャロウェイの店でベンスン夫妻や村人たちと飲みかつ騒いだ。
そんな状況の中でティベット夫妻は、ひとつの悲劇を聞いた。ピート・ローンズリーというベテランの船乗りが、数ヶ月前に自分の船を砂洲に乗り上げて動けなくなり、その後で死んでいるのが見つかったというのだ。死体は砂洲からかなり離れた位置で見つかった。
ピートの死は、船のセールが風であおられてピートを直撃して海に落とし、それが潮の関係で流されて離れた場所で死体となって見つかったと説明された。だが話を聞いてティベット警部には疑問がわいた。当日の天候と、ピートが船のことは何でも知り尽くしているベテランであることから、セールで直撃されるはずはなかったのだ。
ティベットはピートの死は殺人だと直感し、村人たちに話を聞き始めた。その中でピートの死と前後して土地の有力者サー・サイモン・トリッグウィロビーの妹プリシラの宝石がごっそりと盗まれていることを知る。この事件でプリシラは酒浸りになってしまっちていた。そしてティベットは思い出した。村人の中に、かつて故買屋だった男がいたことを…
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