ジョン・ディクスン・カー(英米1906〜1977)
別名義としてカーター・ディクスン。不可能犯罪の巨匠、密室の大家と言われる。ほとんどが長編で、密室、足跡のない殺人、人間消失など不可能犯罪を扱った作品が多い。また怪奇趣味、オカルト趣味が色濃く漂う作品も多く、伝説や血塗られた歴史、悪魔崇拝などが重要な要素になっている。
探偵役は所期作品ではパリの天才型名探偵アンリ・バンコランが活躍し舞台も大陸、第7作の「魔女の隠れ家」からはギデオン・フェル博士が活躍しイギリスが舞台の中心となる。
一方、カーター・ディクスン名義の作品は、出版社との契約の関係でカー名義を使えなかった事情から書かれたもので、作中探偵もヘンリ・メリヴェル卿(HM)となる。
フェル博士、HMとも巨漢で天才型であることは同じで、どちらかと言えばフェル博士の方はシリアスな作品、HMの方はファース味の濃い作品と言えるかもしれない。ほかに、後期では歴史ミステリを主に発表した。
我が国ではクイーンやクリスティに比べて、作品に絶版や未訳が多く、最後の未訳だった作品「ブードゥーの悪魔」が出版され全ての翻訳はなされたのは2006年になってからである。しかし、現在でも絶版のままの作品があり、クリスティの全作品が容易に読めるのに比べ、いささか不遇を囲っている。
カーの作品にはムラがあるとよく言われる。誰しも認める名作はごく一部で、ほかは人により評価に差があり、また愚作駄作も多いのも事実だ。魅力的な謎を提示されたあとで、トリックを知ると怒り出す読者もいるというが、それがまた魅力でもあり、マニアと言われる熱烈なファンも多いのもまた事実である。
長篇
ジョン・ディクスン・カー名義
夜歩く再読改訂しました。不可能犯罪を描く怪奇趣味に彩られたカーのデビュー作。
絞首台の謎再読改訂しました。カーの第2作でバンコランもの。ロンドンが舞台の怪奇色が強い作品。
髑髏城再読改訂しました。ドイツ、ライン河畔の不気味な古城髑髏城で、バンコランとそのライバルアルンハイム男爵が怪死事件に挑む。
蝋人形館の殺人再読改訂しました。パリの蝋人形館での猟奇殺人。バンコランとマールのコンビ最終作。
毒のたわむれ再読改訂しました。アメリカ、ペンシルヴァニアが舞台で、探偵役バッド・ロシターはこの先品のみに登場。
魔女の隠れ家再読改訂しました。フェル博士初登場。犯人の意外性も充分だしトリックもしっかりしている佳作。
帽子収集狂事件再読改訂しました。江戸川乱歩がカーの最高傑作としたが?ロンドン塔での事件。
剣の八再読改訂しました。フェル博士の第3作、だが評価はいまひとつ…
盲目の理髪師再読改訂しました。全篇ドタバタ劇。フェル博士は安楽椅子探偵。
死時計再読改訂しました。複雑かつ難解、それ以上にフェアかアンフェアかの問題作。
三つの棺再読改訂しました。カーのベスト作。フェル博士の密室講義が有名。
アラビアンナイトの殺人再読改訂しました。大作ではあるが内容は?
火刑法廷再読改訂しました。技巧の妙。本格ものとしても一流。
四つの凶器再読改訂しました。バンコラン最後の事件。
死者はよみがえる再読改訂しました。ぎりぎりでフェアか、やはりアンフェアかの問題作。
曲った蝶番再読改訂しました。衆人環視の中の殺人。トリックはアンフェア気味。
緑のカプセルの謎再読改訂しました。カーにしては珍しいフーダニットの作品。副題は「心理学的推理小説」
テニスコートの謎再読改訂しました。足跡のない殺人。後半は冗長。
震えない男再読改訂しました。トリックの評価は分かれそう。
連続殺人事件再読改訂しました。スコットランドの古城で起こる連続怪死事件。
猫と鼠の殺人再読改訂しました。原題は「嘲るものの座」。カーらしくない作。
皇帝のかぎ煙草入れ再読改訂しました。クリスティが脱帽し、乱歩も絶賛したという作品。
死が二人をわかつまで再読改訂しました。イングランドの片田舎で起きた密室殺人事件。
囁く影再読改訂しました。魅力的な謎、合理的な解決、犯人の意外性、いずれも備わった佳作。
眠れるスフィンクス再読改訂しました。過去に起きた事件を追う。カーらしさが感じられない作。
疑惑の影再読改訂しました。主人公は弁護士バトラーでフェル博士は脇役。佳作ではある。
ニューゲイトの花嫁再読改訂しました。カーの歴史ミステリ第一作。冒険あり恋愛あり。
ビロードの悪魔再読改訂しました。歴史ミステリの大作。悪魔に魂を売り渡し、過去の殺人事件を調べるためにタイムスリップした教授は…
九つの答再読改訂しました。欄外に読者が考えそうな答えを先回りして記述し、次々にそれを否定していくという趣向が凝らされている。
喉切り隊長再読改訂しました。フランスを舞台にした歴史ミステリ。
バトラー弁護に立つ再読改訂しました。「疑惑の影」の主人公の法廷弁護士バトラーが単独で事件を捜査。
死者のノック再読改訂しました。この作品はトリックに問題が…
ハイチムニー荘の醜聞再読改訂しました。歴史ミステリではあるが、フーダニットに徹した分かりやすい作品。
雷鳴の中でも…スイス・ジュネーブ郊外の山荘での怪事件にフェル博士が挑む。
引き潮の魔女再読改訂しました。足跡のない殺人を扱った歴史ミステリ。
悪魔のひじの家再読改訂しました。1960年代に書かれた数少ないフェル博士ものの1篇。そして久々の密室の事件。
仮面劇場の殺人再読改訂しました。前作に引き続き書かれたフェル博士ものの1篇。アメリカの架空の町の劇場が舞台。

カーター・ディクスン名義
弓弦城殺人事件再読改訂しました。カー・ディクスン名義で発表された唯一の作品。探偵役はこの作のみのジョン・ゴーント。
プレーグ・コートの殺人再読改訂しました。HM初登場。ディクスン名義の最高傑作。
白い僧院の殺人再読改訂しました。雪の密室…足跡のない殺人を扱う。
赤後家の殺人再読改訂しました。ギロチンの部屋とそこで起こる密室殺人。カーらしさ充分の佳作。
一角獣殺人事件再読改訂しました。舞台はフランス。ファース味の濃い作品。
パンチとジュディ再読改訂しました。全篇がドタバタ劇の怪作。
孔雀の羽根再読改訂しました。衆人環視の中の不可能犯罪。他の作品よりフェアプレイを意識。
ユダの窓再読改訂しました。著名なトリックを用いた傑作。
五つの箱の死再読改訂しました。不合理な謎、不可解な謎、不思議な謎に満ちた作品。
読者よ欺かるるなかれ再読改訂しました。着想はいいがプロットがいまひとつ。
かくして殺人へ再読改訂しました。もの足りない作品で、愚作の部類。
九人と死で十人だ再読改訂しました。大西洋の船上での殺人。
殺人者と恐喝者再読改訂しました。冒頭の叙述トリックがフェアかアンフェアかで論争を呼んだ作品。
仮面荘の怪事件再読改訂しました。最初の謎が全ての作品。
貴婦人として死す再読改訂しました。足跡のない殺人を扱う。
爬虫類館の殺人再読改訂しました。クレイトン・ロースンからの、室内から目張りをした密室という手紙に刺激を受けて書かれた作品。
青銅ランプの呪再読改訂しました。人間消失を扱う作品で、クイーンとの会話がヒントになったという。
青ひげの花嫁再読改訂しました。カーと言えばカーらしい、なんとも不思議な味。
時計の中の骸骨再読改訂しました。HMの好敵手の伯爵夫人登場。屋敷の屋上から墜落死した男の謎とは…
墓場貸します再読改訂しました。プールでの人間消失。舞台はアメリカ。
魔女が笑う夜再読改訂しました。不気味な形の巨大な石像が立つ農村で起きた中傷の手紙騒動は、密室事件に発展。
赤い鎧戸のかげで再読改訂しました。モロッコのタンジールに休暇で行ったHMだが… 怪作です。
騎士の盃再読改訂しました。HM最後の長篇。密室での怪事件を描く。
第三の銃弾[完全版]再読改訂しました。1937年初版当時の完全版佳作中篇。

短篇集
不可能犯罪捜査課再読改訂しました。不可能犯罪専門のスコットランドヤードD3課のマーチ大佐もの6篇とノンシリーズ4篇編。
妖魔の森の家再読改訂しました。名作「妖魔の森の家」と「第三の銃弾」要約版など全5篇編。
パリから来た紳士再読改訂しました。フェル博士、HM、マーチ大佐、歴史ミステリなど全9篇。
幽霊射手…ダグラス・G・グリーンにより発掘された初期短篇とラジオドラマの作品集の前半の邦訳短篇集。

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