新・本格推理05・九つの署名

新本格推理2005年版。
水島のりかの冒険   
園田修一郎
新婚旅行でアメリカに行った女性。泊まったホテルはドーム型の建物が回廊で繋がる不思議な形。町からは遠く、雪が積もった中をスノーモービルで移動しなければならないほど。
ホテルに隣接してあるのはアメリカ軍の観測基地。ホテルの客はドイツ人、イタリア人、アメリカ人、中国人と人種は違うがすべてカップル。日本人のカップルも他に一組いた。
やがて地震が発生。電話線は切断されて外部との連絡は不能となった。そして起こる殺人。外部との連絡が途絶した中で起きた殺人事件の犯人は…

蛙男島の蜥蜴女    
高橋城太郎
新婚旅行で妻ひかりの出身地である太平洋の孤島蛙男島にやって来た。この島では全ての人間が蛙の皮で作った覆面を着用し、階級差別も厳然と存在した。
ちょうど島ではそれまでの支配者が死に、新しい支配者として蜥蜴女が支配者就任の儀式を行っているところだった。私と妻ひかりは蜥蜴女の生贄として捧げられることになり、檻に捕われてしまう。
蜥蜴女は海上に作られた円形の紅蓮の部屋というところに、3日間一人で篭り穢れを払うことになっていた。紅蓮の部屋には天井部に出入り口があるだけで、壁には窓一つない造りであった。
ただし床は排泄等のために細かい金網になっているが、その下は海であった。蜥蜴女が紅蓮の部屋に入り3日後、いよいよ私とひかりは生贄として捧げられることになった。
ところが紅蓮の部屋の天井の出入り口を開けると中には干からびた蜥蜴女のミイラが横たわっていたのだった…

コスモスの鉢   
藤原遊子
自宅の階段の下で死んでいるのが見つかった男は、脳溢血で右半身不随だった。その男は左手に妻の髪の毛を握っていたことから、妻が階段から突き落として殺したのではないかと疑われ逮捕拘留された。
その妻の担当となった若い女検事は、現場写真に写っていた倒れたコスモスの鉢を見て…

教唆は正犯    
秋井裕
草加俊夫は愛人の真理が邪魔になった。銀行員である俊夫に、会社の上司から縁談が持ち込まれたのだが、関係のあった真理に子供が出来、その子供は俊夫の子供だと迫られていたのだった。
ある夜、バーで酒を飲んでいた俊夫は、殺しを請け負うという男三井と知り合った。三井は相応の報酬さえもらえれば真理を殺してくれるというのだ。
思い余っていた俊夫は三井に真理殺しを依頼することにしたが…

九人病    
青木知己
北海道の山奥の村に何年かに一度流行する伝染病、九人病。その病気にかかると額と足の裏がぬるぬるし始めて高熱を発し、さらに手足の関節の部分が壊死して、手足がすっぽりと抜けていき最後には首まで抜けて死んでしまう。
伝染はするが、伝染するのは9人までで、9人目の患者が死ぬとそれ以上病人が出ることはなかった。
この村は電話線はおろか道路すら満足に通っていない村なので、九人病は村の恥というわけで、患者が出たことすら秘密にされていた。
ある年のこと、村に迷い込んだ男は村の娘と結婚することになった。祝言を終えて数日、妻となった村の娘が九人病に罹ってしまう。男は村の人間には内緒で娘を救うべく村から担ぎ出すが…

無人島の絞首台    
時織深
インドネシアに旅行に来たおれ塚本敦史と彼女の清水真衣。ところが梅島という男が真衣に接近し、真衣も満更でもない様子。そして真衣は梅島に誘われるままにスラウェシ島に向かう船の乗り込んだ。おれも慌てて後を追う。
ところが船の上で真衣がおれのところに来て、梅島は殺人者だという。推理小説を読んだだけで殺人犯に嫌悪感を抱く真衣は、たちまち梅島のもとを離れおれのところに戻ってきた。だがその直後、過激派が仕掛けた爆弾で船は沈没してしまう。
暫くして気がついたおれはどこかの無人島に流されていた。その無人島には絞首台があり、そこには真衣が処刑されたと思しき跡があった…

何処かで気笛を聞きながら    
網浦圭
旅行中の神社で知り合った夜ノ森静という雑誌記者。私は静に子供の頃に誘拐された体験を語った。
家から児童館に向かう途中に男に連れ去られ、電車を2回乗り換え、駅前の倉庫のようなところに監禁され、自分と同じくらいの男の子が食事の世話をしてくれ、その日の夕方には解放されたことを淡々と語った。それに駅に一定時間ごとに列車が入ったことや建物の前を通る地元の人達の会話なども…
ところが驚いたことに静は、私の話だけから子供の頃に誘拐された場所を特定し、世話をしてくれた男の子を探し出してしまったのだった。

モーニング・グローリィを君に    
鷹将純一郎
母親と2人暮らしで老人たちへの訪問奉仕をしていた酒巻百合が、老人宅に入った強盗に乱暴され殺された。強盗は老人の首を絞め、その後で百合を暴行して殺し、さらに老人の金を奪って逃げたのだ。
老人の方は首を絞められたときに気絶したらしく命に別状はなかったが、犯人の手掛かりとなるようなことは何も覚えていなかった。警察の捜査は難航し、容疑者は一人も浮ばなかった。そんなときに百合の世話になっていた一人の老人が、捜査員の尾行をし始めた…

紅き虚空の下で    
高橋城太郎
未確認飛行生物を見たという小学生那加野由真は、その日の夕方に再び未確認飛行生物と会う約束をしたという。その約束の場所は首縊りの木の下。
そして那加野由真は、その木の下で首を絞められたうえ、両手首を切られた遺体で見つかった。手首は近くから見つからず、恐らく犯人によって持ち去られたと考えられた。
さらに近くの畑で農作業をしていた老夫婦がいて、誰も那加野由真の側に近づいたものはいないという。まさか犯人は未確認飛行生物では…


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