獅子座

獅子座は、講談社が昭和31年に探偵小説の書下ろし長篇を募集(いわゆる十三番目の椅子)した際に藤雪夫が応募し、次席(当選は鮎川哲也の黒いトランク)になった作品だった。それが30年近くたったころ鮎川哲也の熱心な勧めもあって大幅に改稿され、校正を手伝った娘の藤桂子との共著という形で蘇ったものである。

埼玉県隈ヶ谷警察署に匿名の手紙が配達された。市内の梓川に架かる仮設の木の橋の上で、殺人事件を目撃したというものだった。ちょうどそのとき市内の横田金融の支店長毛塚金太郎が行方不明になっていた。
手紙に書かれている服装等が毛塚のものと一致することから、さっそく仮設の橋が捜査され、橋げたに血痕が確認された。さらに川を浚ったところ女性用の拳銃が見つかった。匿名の手紙は、一気に現実味を帯び始めたのだった。
それから3日後、東京の隅田川に架かる永代橋付近で男の死体が曳き上げられた。死体は毛塚のもので、検死の結果、梓川で見つかった拳銃により射殺されたものであった。毛塚の死体は梓川に投げ込まれ、川の流れによって永代橋までたどり着いたと推定された。
まず横田金融の隈ヶ谷支店が捜索され、その結果毛塚が浮き貸しをしており、その帳簿や担保物から市内の教会の神父の娘ヤーナ・ミエロが疑われた。調べてみると、拳銃もヤーナのものであった。
だがヤーナは犯行を否認し、拳銃は盗まれたものだと主張した。刑事の心証もヤーナが犯行を犯したとは思えなかった。やがてヤーナの父親と名探偵と名高い雲井龍之助が警察を訪れ真犯人を指摘していった。
その結果、市内で不動産業と建設業を営む佐野壮太郎が逮捕された。佐野の衣服に毛塚の血痕と拳銃を撃った時のガス反応があったのだ。さらに佐野の会社の資金繰りにも不透明な部分があった。
佐野は送検一歩手前までいったが、きわどいところで釈放された。ガス反応は佐野が当日着ていた上着だけから検出されたことが決め手だった。シャツや靴下など一切のものを調べたが、ガス反応はなかったのだ。これでは裸に上着だけの格好で拳銃を発射したことになってしまう。
事件はまたまた振り出しに戻ってしまった。そんなとき、都内の銀行から連絡が入った。毛塚がその銀行に貸金庫を借りていたというのだ。刑事が立ち会って開いてみると、そこからは数字をプロットしただけの紙が一枚出てきただけだった。
何の変哲もない紙に、1から100までの数字をランダムにプロットしたように見える。飛んでいる数字もあった。おそらく暗号に違いないと刑事は睨んだ。専門家にも見せたのだが、どうやっても解けない。専門家の意見では暗号は半分だけで、ほかにもペアになる紙があるはずだというのだ。
そしてひょんなことからその暗号が解けた。特殊な隠しインクを使って残りの部分が書かれていた。その暗号には恐ろしいことが書かれていた。毛塚を始め4人の人間が、30年前にsる女性の殺人事件に関わっていたというのだった。
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