E.C.R.ロラック(英、1894〜1958)
黄金時代に英国で多くの本格ミステリを発表した女流作家だが、日本ではほとんど紹介されなかったひとり。わずかに1957年に「ウィーンの殺人」が東京創元社から刊行された程度で、名を知る人もほとんどいなかったと思われる。ところが英国では28年間で別名義を含めて71作もの長編ミステリを書き、これはクリスティを上回っている。
ロラックは本名をイーディス・キャロライン・リヴェットといい、この頭文字を並べてE.C.Rとし、愛称のキャロル(Carol)を逆さにしてロラック(Lorac)としたもので、ほかにキャロル・カーナックの名でミステリを、キャロル・リヴェットの名でジョブナイルを書いている。ただし長い間ロラックの正体は隠されており、文体も男性が書いたと思わせるように意識して書かれたという。
デビューは1931年で、クリスティ同様本格派とされ、フーダニットやトリックを重視した作品が多いとされるが、著作自体は英国でも入手すること自体が困難であるらしい。我が国では1997年に国書刊行会から「ジョン・ブラウンの死体」が紹介され、その後「死のチェックメイト」「悪魔と警視庁」「鐘楼の蝙蝠」が相次いで初訳された。


悪魔と警視庁…ショッキングかつ魅力的な幕開きで始まる初期の作品。

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