EPISODE27
逆転の構図
NEGATIVE REACTION
Guest Stars
DICK VAN DYKE
DON GORDON
LARRY STORCH
ANTOINETTE BOWER
JYOCE VAN PATTEN
ON AIR Oct 6.1974(USA) Dec 20.1975(JPN)
スタッフ
製作総指揮…ローランド・キブビー&ディーン・ハーグローブ
製作…エバレット・チェンバース
共同製作…エドワード・K・ドッズ
監督…アルフ・チェリン
脚本…ピーター・S・フィッシャー
音楽…バーナード・セイガル
撮影…ウィリアム・クロンジャガー
美術…ジョン・W・コルゾ
キャスト
ポール・ガレスコ…ディック・ヴァン・ダイク
アルビン・ダシュラー…ドン・ゴードン
ウィークリー…ラリー・ストーチ
フランセス・ガレスコ…アントワネット・バウアー
シスター…ジョイス・ヴァン・パタン

コロンボシリーズでは良く見られるはったりをかませて犯人がぼろを出すパターン。
コロンボのお惚けに乗って徐々に興奮して、最後にぼろを出してしまうのは写真家ポール・ガレスコで、演じるのはディック・ヴァン・ダイク。「メリー・ポピンズ」や「チキ・チキ・バン・バン」などのミュージカル映画で大活躍のスター。
ガレスコは悪妻フランシスを誘拐されたと見せかけて、田舎の農家に連れ込んで殺害。
この農家は撮影のためといって、刑務所を出たばかりのダシュラーという男を使って買わせたもので、このダシュラーを誘拐犯に祭り上げ、身代金引渡の場で撃ち合いなったように見せかけて殺害。 自分は悲劇の夫を演じるというストーリー。
ダシュラー殺害後に撃ち合いに見せか けるために自分で自分の足を拳銃で撃つ。ここまで痛い思いをしたんだから…でもコロンボは容赦なくガレスコに迫ってくる。
決め手に欠くコロンボは最後に大はったりを…本当の場なら絶対にありえないのでしょうが、ドラマとしては充分楽しめます。
STORY
ピューリッツァー賞を二度も受賞した著名な写真家ポール・ガレスコは、妻フランセスを殺す決心をした。入念に準備をし、今日が犯行を決行する日だった。
フランセスは誘拐に見せかけて殺すことになっていた。誘拐犯として適役の男アルビン・ダシュラーは数日前に刑務所を出て、今は郊外のモテルにいる。ガレスコがダシュラーと知り合ったのは、前に泊りこみで撮影に行ったサンクウェンティン刑務所だった。出所したダシュラーに、金を与えモーテルに隔離した。感激したダシュラーはガレスコの指示に忠実に従った。
もちろんダシュラーは自分が誘拐犯に擬せられることなど知りはしない。ダシュラーは妻を誘拐して殺害し、身代金を受取る時にガレスコに射殺されることになっているのだ。
この計画の重要なアイテムとなる誘拐犯からの脅迫状を写真現像用の暗室の赤いライトの下でガレスコは作っていた。あたりには脅迫状に使った切り抜いた新聞が散らばっている。
部屋の外から妻フランセスの喚き声が聞こえた。あと少しの我慢で、あの声からも解放されるのだ。
フランセスの悪妻ぶりは目に余るものだった。暗室から出てきたガレスコに、矢のように文句を浴びせた。ガレスコは計画のためにじっと耐えた。
2人はこの後、郊外の農家を見に行くことになっていた。撮影に必要という名目で、フランセスには黙ってガレスコが買ったものだった。本当は撮影のためではなくフランシス殺害現場にするためだった。 だからフランシスにはおとなしく農家にいってもらわなければならない。へたに妻に逆らってヘソを曲げられては困るのだ。
もっとも農家を買う金を出したのはガレスコであったが、下見をしたり契約したのはダシュラーに指示してやらせていた。絶対にガレスコの名前は出してはいけないといってあるので、ダシュラーが誘拐のために借りたものと思われるだろう。

農家に着くと思ったとおりフランセスは文句ばかり並べていた。ガレスコはそれを聞き流しながらフランセス殺害の準備を始めた。暖炉の上に時計を置く。時間は1時50分に合わせた。そして持ってきたバッグからロープを取り出し、フランセスを椅子に縛りあげた。
喚き散らすフ ランシスを無視し、ポラロイドカメラで背後に時計を入れて、椅子に縛られたフランセスの写真を撮る。 ここでガレスコの職業意識が出た。最初に撮った写真が気に入らなかったのだ。
2枚目を写す。今度のはよかった。この写真を先ほどの脅迫状の入った封筒に入れた。これで生きているフランセスに、もう用はない。ガレスコは拳銃を取り出すと銃口をフランシスに向け引き金を引いた。
フランセスを撃ったガレスコは最初の失敗作の写真を暖炉に捨てると車に乗ってダシュラーとの待ち合わせ場所に向かった。農家を契約した時に絶対にガレスコの名を出していないことを確認し、明日にでも例の廃車置場を見たいと言い明日の朝10時に電話をするように伝えた。
電話をすると約束したダシュラーは別れ際にモテルの部屋が荒らされてカメラを盗まれたと告げた。農家の写真を撮ってガレスコに見せるためにガレスコがダシュラーに命じて買わせたものだった。
もちろんカメラを盗んだのはガレスコで、先ほどフランセスの写真を撮ったのはこのカメラだった。ガレスコは農家も決まったのでもういらないとダシュラーを安心させた。

翌朝10時少し前にガレスコの自宅に来た家政婦は、ガレスコの様子がおかしいのに気づいた。そこに昨日の約束通りダシュラーからの電話がかかってきたがガレスコは自分で取った。
会話はうまくつじつまを合わせ、5時に廃車置場で会う約束をしてフックボタンを押し電話を切り、その後は一人芝居をした。電話に向かって誘拐された妻を電話に出すように言ったのだ。そしてメモ用紙に「小額紙幣で2万ドル」と書いた。
受話器を置いたガレスコは家政婦に心配するなと言って出て行った。家政婦はそれを見送り電話のところに行きメモを見て、フランセスが誘拐されたらしいと知る。
ガレスコは出版社に行き、知り合いの社長に金を都合してもらい、警察に届けることを勧める社長の忠告を無視し、単身身代金受渡しの現場に向かうために車に乗り込んだ。
身代金受渡しの場所は郊外の廃車置場。今日の5時にダシュラーも約束通りそこに来るはずだった。ところがガレスコは、直接廃車置場には向かわずに、ダシュラーのいるモテルに寄った。物陰に車を止めダシュラーが廃車置場に向かうのを待つ。
ダシュラーが車で出た後 に、ガレスコはフランセスの写真を撮ったカメラをモテルのダシュラーの部屋に隠し、脅迫状を作った新聞やハサミ、のりを置いた。これもダシュラーを誘拐犯にでっちあげるための証拠の一つになるはずだ。

廃車置場でガレスコはダシュラーと会い、ダシュラーに妻が誘拐されたと告げ、脅迫状と写真を渡して見せた。手にとって脅迫状を読み驚くダシュラーだったが、これはダシュラーの指紋を手紙につけさせるガレスコの巧妙な作戦だった。
そして誘拐犯は君だと言うことになっていると言うと、拳銃でいきなりダシュラーを撃ち殺した。 ガレスコは次に別の銃を取り出し、死体となったダシュラーの手にその銃を握らせて、自分の足に向けて引き金を引いた。
これが計画の最後の段階だった。誘拐犯ダシュラーは身代金を受取るといきなり銃を取り出しガレスコを撃ったが、的を外し足にあたった。一方、ガレスコも護身用の銃を取り出しダシュラーを撃ち、こちらは心臓を撃ち抜いたのだ。 妻を誘拐された哀れな写真家ポール・ガレスコは、妻の居場所もわからないまま銃撃された足の痛みにのた打ち回るのだった。

コロンボ警部を始め警察の捜査がはじまった。病院に担ぎ込まれたガレスコに会いに行き、ガレスコから昨日の昼ごろにフランセスと別れたとの供述を得た。その時にコロンボは、ガレスコのズボンに焼け 焦げのあとがあるのを見咎めた。至近距離から撃ったような焼け焦げのあとで、ガレスコの説明だとつくはずのないものだった。
続いてダシュラーのいたモテルが捜索され部屋の中から新聞やカメラが見つかった。新聞は脅迫状を作るのに使ったものであり、カメラの中にはフランセスを写したネガが残っていた。さらに電話の記録を調べるとダシュラーは午前10時にガレスコのところに電話をかけていた。
翌日の朝、郊外の農家が特定され、そこからフランシスが遺体で発見された。農家に駆けつけるコロンボたち捜査陣。、そこでもコロンボはおかしなことに気づく。
1つは暖炉に捨てられた写真。ダシュラーのような人間が写真の出来不出来を気にするはずがない。写真家なら別だが…
もう1つは暖炉の上の時計。時計の上にはほこりはなく、時計の下のほこりは周りと同じ状態だった。すると時計はごく最近置かれたものだ。まるで写真に写すためのように…
さらにモテルのダシュラーの部屋の新聞の切り抜きもおかしい。メイドが掃除したはずなのに新聞が残っているとは…
さらに刑務所を出て間もないダシュラーが、仕事もしていないのに金を持っていること自体もおかしい…
ダシュラーは誘拐犯にさせられただけで、本当は何もしていないのではないか?とすればガレスコの説明は全て嘘であり、フランセスを殺害し、その罪をダシュラーに着せて口を封じたのはガレスコに違いない。

そしてついにコロンボは誘拐のあったとされる日の午前中にダシュラーが運転免許の実技試験を受けていたことを知った。試験官のウィークリーは間違いなくダシュラーは試験を受けていたと証言した。
全てが状況証拠ばかりで壁にぶち当たっていたコロンボは、ダシュラーが運転免許試験を受けていたことを使ってガレスコに罠をかけることを思いついた。
スタジオに現れた刑事にガレスコは任意同行を求められ、警察本部に連行された。そこではコロンボが待機しており、状況証拠を並べ立てるがガレスコは動じない。
ついにコロンボは決定的証拠と証して、特大に引き伸ばしたフランセスの写真を見せた。コロンボは背後に移る時計を示した。そこに写った時間は10時。その時間には運転免許試験を受けていたダシュラーは誘拐犯ではないし、昼までフランセスが生きていたとのガレスコの証言も嘘ということになる。
黙って聞いていたガレスコは笑い出し、コロンボに対して写真を裏焼きしたミスだと言った。その結果左右が逆になってしまったのだ。オリジナルを見れば、時間は2時だとわかるはずだと告げたが、コロンボはオリジナルの写真は引き伸ばし作業の途中で薬品の中に誤って落とし解けてしまったと申し訳なさそうに言った。
さらに自信を持って作業には一切ミスはなかったのだからあくまで逮捕すると主張する。 驚いたガレスコはネガがあるはずだと、コロンボの背後の棚にあるいくつかのカメラの中からフランセスの写真を撮ったカメラを迷わず選び、ネガを見せた。
その瞬間コロンボは立ち会っていたほかの刑事達に今の行動を目撃したことを確認させた。何がなにやらわからないガレスコに、「このカメラはダシュラーのカメラです。確かに奥さんを撮ったものです。でも、なぜあなたにわかったんです」と告げるコロンボ。ガレスコは「そうか、わざと裏焼きさせたんだな」とコロンボに言ったが、コロンボは返事を返さなかった。


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