EPISODE21
意識の下の映像
DOUBLE EXPOSURE
Guest Stars
ROBERT CULP
ROBERT MIDDLETON
CHUCK McCANN
LOUISE LATHAN
ON AIR Dec 16.1973(USA) Aug 10.1974(JPN)
スタッフ
製作…ローランド・キビー&ディーン・ハーグローブ
監督…リチャード・クワイン
脚本…ステファン・J・キャネル
音楽…ディック・デ・ベネディクティス
撮影…ウィリアム・クロンジャガー
美術…ジョン・W・コルゾ
共同製作…エドワード・K・ドッズ
キャスト
バート・ケプル…ロバート・カルプ
ヴィクター・ノリス…ロバート・ミドルトン
ホワイト…チャック・マッキャン
ノリス夫人…ロイス・ラザム

犯人役3度目のロバート・カルプが今回扮するのはバート・ケプル博士。
ケプル博士はサブリミナル効果を利用して顧客の実業家ノリス氏を殺し、それを追うコロンボを描く。 サブリミナル効果を利用しての殺人とは、いかにもプライドの高そうな人間のやる高尚な殺人だが、あまりに手がかかりすぎ。
これで被害者ノリス氏が水を飲みにこ なかったらそれまでで、目的は達成できない。まぁそのへんはドラマですから、そんなことはないのですが、動機の点ももっと踏み込んだ説明が必要。
それから、2件目の殺人でケプル博士のアリバイはない、とするコロンボも根拠が小銭がないだけというのは少し乱暴。
最後に証拠となってしま う口径変換装置。あれだけケプル博士には時間があったのに、始末をしないなんて…
それに最大の欠点は、何もこんなことしなくても殺す方法はいくらでもあるのに…
コロンボがすぐ気がついたように、何でノリス氏がロビーに出てくることが犯人にわかったんでしょう?という点が解決してしまうと犯人はすぐに明らかになってしまうんですよね。
という揚げ足とり的な点を除けば着眼点もよくドラマとて面白くもあって、日本のミステリードラマでは絶対に真似できない作品であることは間違いない。
STORY
<準備>
男はオフィスの自室の鍵つきガラスケースの中に飾ってある拳銃を取り出し、口径の変換装置をセットして再びケースに戻し鍵をかけた。拳銃は45口径、変換装置は22口径用のものだった。
次にカッセトレコーダに自分の声が入っているのは確かめ、試写を行う予定の映写室のエアコンの設定温度を高くした。 さらに、試写を行うフィルムの砂漠の映像の中に、アイスティのカットを仕込む。サブリミナル効果と言われる、見る人の潜在意識を刺激するための手法を殺人に応用するのだった。
このフィルムを映写室におき、同時に映写室にあるロビーを写すモニターの線を切り、モニターが写らないように細工した。
仕上げは犠牲者となる男の妻に電話をし、声を変えて夫の浮気に事実を告げ、証拠を見せるから40分後にマグノリア劇場の角で待つように伝えた。目的は妻のアリバイを奪うことだった。

<殺人>
男の名はバート・ケプル博士、人間の行動や意識を調査しビジネスに活かす研究所の経営者、犠牲者となるのは依頼者であるノリス産業のワンマン経営者ヴィクター・ノリス。
この夜はノリスが依頼したセールスマンの研修用のフィルムの試写が、ノリスとその会社の重役連を招いて行われることになっていた。
試写の前にケプル博士と重役達が軽食を取りながら歓談しているところにノリスが現れた。ケプルを呼んで文句をいうノリスに、ケプルはノリスの大好物であるキャビアを出した。
ケプルはノリスのもとに美人秘書を送り込み、ノリスを誘惑し証拠写真を撮っていたのだ。ノリスはその返還を要求し、ケプルとの契約を打ち切り悪行を暴こうとしていた。
これに対しケプルはノリスを消すことにし、今夜それを実行することにしたのだ。キャビアもその実行のために必要なものだった。このキャビアはしょっぱくて、食べた後には確実にのどが乾くはずだった。 そのキャビアを大量に食べたノリスと重役を伴って、ケプル博士は試写室に案内した。

試写を始める前にケプル博士はナレーションはまだ入っておらず、今日は自分がナレーションを行うと説明して、カーテンの陰のマイクの前に立って試写を始めた。
もちろん試写の始まる直前にカセットレコーダーの再生スイッチを入れた。カーテンの陰に隠れているので、客席からケプルの姿は見えず、喋っているのはケプルなのか録音されたテープなのかはわからなかった。
ケプルは、その場を立ち去り自室に向かい拳銃を取り出し、モニターのスイッチを入れロビーにノリスが出てくるのを待った。ノリスはしょっぱいキャビアでのどが渇いているうえに、高めに設定したエアコンで我慢が出来なくなってくる。
そこに熱い砂漠の画面が現れ我慢の限界に達しそうなところに、アイスティのカット。 サブリミナル効果が見事に効いてノリスは絶対に水を飲みにロビーに出てくるはずだし、ケプル博士の筋書き通り事実ノリスは出てきた。
モニターでそれを確認したケプル博士はロビーに行ってズドン、ノリスは絶命した。 ロビーの様子は映写室のモニターにも写り、映写技師のホワイトに見られる恐れがあったので予め映写室のモニターの線を切っておいたのだった。
ケプル博士はノリスの死を確認すると、自室に入り口径変換装置を拳銃からはずし変換装置をランプに傘の中に隠し、拳銃をガラスケースの中に戻した。そして試写室に戻り、何食わぬ顔でナレーションの続きを行った。
すぐに試写は終 わり、ロビーに出たノリスの部下の一人がノリスの死体を発見し大騒ぎになった。ケプル博士は仕上げにカセットレコーダーの録音ボタンを押して、吹き込まれていたナレーションの痕跡を消した。

<捜査>
出動したコロンボは夕食代わりに現場にあったキャビアを食べ、捜査にかかる。
コロンボがまず 目をつけたのはロビーのテーブルに置かれたスイッチの入ったカセットレコーダー。殺人の場には不自然なのだ。 コロンボはケプル博士に面会し、カッセトレコーダの件を尋ねると、いつも試写後に出席者の意見を聞くために用意するのだと答えた。コロンボは一応納得はしたものの、録音スイッチが入れてあったことに不審を抱く。
次にコロンボは映写室のホワイトを訪ね話を聞いた。映写室のモニターをホワイトが見ていれば殺人犯を捕まえられたかもしれない、と最後にホワイトに言って、再びケプル博士を訪ねた。
犯人は何でノリス氏がロビーに出てくることがわかったんだろうという疑問を口にし、拳銃の検査をしたいと銃を借り受けた。
翌日、コロンボはスーパーマーケットで来店客の様子をチェックしているケプル博士のところに行った。 ノリス産業で開かれる予定だった重役会の議題にケプル研究所との取引を打ち切る件が載っていたが、と切り出して、最後にはカセットレコーダーの疑問を再び口にして帰っていった。

<脅迫>
ノリスの部屋にホワイトが現れた。ホワイトはノリスの死の真相を知っているといった。 ホワイトは試写後のフィルムを見て、潜在意識のカットが入っているのを見つけ、それとロビーを写すモニターが切れていたことからケプル博士の犯行を知るに行ったのだ。
ホワイトは5万ドル要求し、ケプルはそれに応じた。今夜ホワイトがアルバイトで働いているマグノリア劇場の映写室に金を届けることにした。
ケプル博士は脅迫者の口をふさぐ決心をし、その行動に移った。ノリス夫人の留守を狙って、ノリスの家に忍び込みノリスの拳銃を盗んだ。そして、その夜マグノリア劇場に行き、映写室に入ってホワイトをノリスの拳銃で撃った。
ケプル博士は2巻目のフィルムをかけて、その時間までホワイトが生きていたように見せてオフィスに戻った。 オフィスに戻るとコロンボが来ていて、潜在意識のことについて社員から話を聞いていた。
ケプル博士が声をかけると,今度はしょっぱいキャビアの話をし、そして仮説を披露した。 その仮説は、まさにケプル博士のノリス殺害の真相そのままだった。ケプル博士は証拠がないことには、と勝ち誇ったように言って、その場を去った。
そこにホワイト殺害の一報が入る。コロンボはケプル博士にその事実を告げて、一緒にマグノリア劇場に向かった。現場検証の結果凶器はノリスの銃で、殺された時間は2巻目を上映中と推定された。 その時間は、まさにコロンボがケプル博士と話している時間であった。

<対決>
コロンボはゴルフを楽しんでいるケプル博士のところに押しかけ、ホワイト殺しのときのアリバイはないことを告げた。 ホワイトはフィルムの終端近くに小銭を挟んでおき、フィルムが巻かれて終わり近くになると小銭が落ちて、フィルム交換時期であることを知らせてくれるやり方を常用していた。
コロンボはこのことを、最初にケプル博士のところでホワイトに会ったときに聞いていて、そのことを思い出し調べてみると小銭がなかった。したがって2巻目のフィルムはホワイトがかけたものではない、というわけだった。
そしてコロンボはケプル博士は犯人であるとはっきり告げて帰っていった。
証拠を得るためにコロンボはサブリミナル効果を使うことにした。ケプル博士が退社したあと、博士のオフィスで机の下やランプの中などあちこち覗き込むコロンボの写真を撮らせた。
翌日、顧客のためにケプル博士が試写するフィルムに、そのカットを入れた。試写が始まるとケプルは途中で立ち上がり、オフィスに入ってランプの傘の中に隠した口径変換装置を取り出した。
そこにコロンボが現れ証拠の口径変換装置を押収した。唖然とするケプル博士はやがて、潜在意識のカットを使ったのかとつぶやき、卑屈な笑みを浮かべた。


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