EPISODE19
別れのワイン
ANY OLD PORT IN A STORM
Guest Stars
DONALD PLEASENCE
JOYCE JILLSON
GARY CONWAY
DANA ELCAR
Special Guest Star
JULIE HARRIS
ON AIR Oct 7.1973(USA) Jun 29.1974(JPN)
スタッフ
製作…ロバート・F・オニール
監督…レオ・ペン
脚本…スタンリー・ラルフ・ロス
音楽…ディック・デ・ベネディクティス
撮影…ハリー・ウォルフ
美術…アーチ・ベーコン
キャスト
エイドリアン・カッシーニ…ドナルド・プリゼンス
ジョーン…ジョイス・ジルソン
リック・カッシーニ…ゲンリー・コンウェイ
ファルコン…ダナ・エルカー
カレン・フィールディング…ジュリー・ハリス

コロンボシリーズの中でも傑作の呼び声が高い作品。いままでの事件の犯人と違い、コロンボが犯人に同情と共感をよせる。この作品以後の「白鳥の歌」や「黄金のバックル」などの犯人にも、コロンボは共感をよせる。
主人公はカッシーニワイナリーの実質着経営者エイドリアン・カッシーニ。実質的というのは、ワイナリーは異母弟のリックのもので、エイドリアンは雇われているに過ぎないのだ。
リックはワイナリーの経営には無関心で遊びまわり、一方のエイドリアンは採算は度外視する経営で、しかも高価なワインを秘蔵している。どちらもどちらの感があるが、金にしか関心のないリックがワイナリーを売ることにし、それを聞いたエイドリアンはカッしてリックを殴り倒してしまう。
その後 リックを密閉度の高いワイン貯蔵庫に閉じ込め、ニューヨークに向かいワインの競売会に出席する。一週間後ニューヨークから帰ったエイドリアンは、窒息死したリックにスキューバダイビングの格好をさせ、海に投げ込み事故死に見せかける。
ところが不審な点が数々あって、コロンボはエイドリアンを疑い、一方でエイドリアンの秘書のカレンも真相を知ってエイドリアンに結婚を迫る。最後にコロンボがエイドリアンにトリックを仕掛けてエイドリアンは観念して自白する。
全体がスマートにまとめられ、高級感さえ漂う。ミステリーとしての物足りなさはあるものの、それを上回る質の高い作品に仕上がっている。
エイドリアンを演じるのはドナルド・プレゼンス。怪優と言われるドナルド・プレゼンスは「007は二度死ぬ」や「ミクロの決死圏」など悪役が多いのだが、本作では実によくエイドリアンを好演している。
STORY
ある日曜日、カッシーニ・ワイナリーの一室で、赤ワインのグラスを手に談笑を始めた4人の男。 すぐに、その中の一人ワイナリーの実質的な経営にあたるエイドリアン・カッシーニが極上のクラレットを供するために部屋を出た。
エイドリアンは隣室のインターフォンで残った3人の男の会話を聞く。男達はワイン協会の幹部で、エイドリアンを協会の今年の人にすることを決めた。その会話を聞くとエイドリアンは笑みを浮かべ、クラレットを取りに自室に入った。
エイドリアンの自室には、異母弟のリックがエイドリアンを待ちかまえていた。リックは明日アカプルコで結婚することにしたのでエイドリアンに金をせびった。
嫌味をいいつつ金を渡したエイドリアンに、リックはカッシーニ・ワイナリーをマリノ酒造へ売却することにしたと宣言した。
カッシーニの父親はエイドリアンに金を残し、リックにはワイナリーを残した。したがってワイナリーはリックのもので、エイドリアンがリックに経営を任されていたのだ。
この話を聞いた途端にエイドリアンの顔色が変わり、激怒したがリックはまったく聞く耳をもたなかった。カッしたエイドリアンは手近の置物を掴むとリックを殴り倒してしまう。 リックは意識を失い床にのびた。

エイドリアンは一瞬躊躇したものの、クラレットを持って自室を出た。ちょうどそこに秘書のカレンがやってきた。カレンはニューヨークで行われるワインの競売にエイドリアンと出席するために、仕事を片付けに休日出勤してきたのだ。
そしてリックの車が表にあった がリックも来ているのかと聞いてきた。エイドリアンは焦り、リックはさっき来てもう帰ったところだと誤魔化し、さらに滞在を一週間に伸ばすから早く帰って準備するようにいい、半ば強引にカレンを帰し、客のところに戻った。
クラレットをデカンタに移す役目を客の一人のファルコンに頼み、ワインを楽しんだ後で客を送り出すとエイドリアンは自室に戻り、リックを自室に隣接するワイン貯蔵庫に引きずりこんだ。
そして紐で縛り上げ、空調のスイッチをきった。自身がニューヨークに行っている一週間の間にリックは窒息死するはずだった。 そして外に出るとリックの車をガレージに隠し、自分の車で空港に向かった。

翌日からエイドリアンはカレンやファルコンらとともにニューヨークでのワインの競売会に出席した。 その行きの飛行機の中でエイドリアンはカレンに、アカプルコのリック宛てに5千ドルの小切手を結婚祝に郵送するように頼みリックが生きているように思わせることを忘れなかった。
一方、ロスアンゼルスでは深夜の警察本部にリックと結婚するはずだったジョーンが、リックの行方不明の件で相談に来ていた。宿直していたコロンボが相手をしたが、ジョーンのあまりに真剣な様子に調査を約束した。

ニューヨークから帰ったエイドリアンは、ワイナリーに戻るとリックの始末にかかった。リックは思ったとおりワイン貯蔵庫の中で窒息死していた。
リックの車に積んで いたウェットスーツを着せ、スキューバの道具と共にリックの車で寂しい海岸の岩場に向い、海に死体を投げ込んだ。 スキューバダイビング中に事故死したように見せかける工作をしたのだ。
捜査にあたったコロンボは、死亡したのはリックとわかるとジョーンのもとに知らせに行った。ジョーンをはじめ友人達は一様にショックを受けたが、コロンボは兄弟の仲が悪かったことを聞き出した。
その夜テレビでリックの死のニュースをやっていた。酒場でビールを飲みながらそれを見るコロンボの耳に医師のインタビューが入る。医師によれば死因は窒息死で、恐らく飛び込んだ際に頭を打って気絶し、そのままタンクのエアが切れて死亡したのだろうとの見解だった。そして死亡推定日は6日火曜日。これを聞くとコロンボは火曜日の天気を調べ始めた。

翌日コロンボはカッシーニ・ワイナリーにエイドリアンを訪ねた。火曜日の天気は雨とわかった。
コロンボはエイドリアンに会うと雨の日にわざわざスキューバをやったこと。雨なのに車のほろがかけてなかったこと、さらに車を誰も目撃していないことなど、リックの死に不審な点があると告げる。そして最後にリックに会っているのはエイドリアンらしいとも付け加えた。
エイドリアンはカレンにも確認し、確かに日曜にはリックがワイナリーに来たので会ったが、その後はニューヨークに行ったのでリックが誰と会ったかわからないと言った。
帰り際、カレンのところにコロンボ宛の電話がかかった。解剖の結果を知らせる電話で、リックは2日間何も食べていなかったことがわかった。
コロンボはリックの死を殺人と確信した。火曜日の2日前は日曜日、その日曜日はエイドリアンとリックがワイナリーで顔を合わせておりき、それ以後リックの姿を誰も目撃していないことからエイドリアンへの疑いを強くした。

次にファルコンのところに日曜日の様子を聞きに行き、その席でクラレットをデカンタに移す役目をエイドリアンがファルコンに任せたことを聞いた。
エイドリアンはワインをデカンタに移すことは人に任せたことがないと、エイドリアンを訪問した際に聞いていたので、これでエイドリアンへの疑いは決定的となった。
再びエイドリアンを訪問したコロンボは、ワイン貯蔵庫を見せてくれるように頼んだ。そして貯蔵庫に入るとエイドリアンに閉じ込められたら出られなくなるのではと聞いた。
エイドリアンが鍵は外からしかかからず、中からはいつでも開くといっても信用せず、エイドリアンが先に外に出て鍵をかけてコロンボが出られるかどうか、実験することになった。 簡単にドアは中から開きコロンボは外に出た。
別れ際にエイドリアンは事故死なのに何故警察は遺体をすぐに引き渡さないのかとコロンボに尋ねる。コロンボは一週間も野外に放置されたリックの車に雨の後がなく、どう考えても何かあるとしか思えないとエイドリアンに告げた。
そしてコロンボは門の守衛室によ り、守衛に何事かを聞いて帰っていった。

その夜カレンの自宅にコロンボが押しかけた。コロンボはカレンにリックは日曜日にワイナリーから出て行ったかどうか確認した。エイドリアンがリックを殺したと真相を知ってしまったカレンは、リックが来るところも帰るところも見たと嘘をついた。
コロンボは守衛はリックが来たところは見たが、帰ったところは見なかったと言っているが、と聞くとカレンは守衛は酒浸りでいつも酔っていて本当は守衛の役にも立たないのだと言い、リックが帰ったことは間違いないと保証した。
その答えを聞いたコロンボは事件はこれで解決ですと言い、その場で電話を借りてエイドリアンにかけ、エイドリアンを疑ったお詫びに、エイドリアンとカレンを明日の夜、最高のレストランに招待したいといった。

翌日の夜、コロンボの招待を受けたエイドリアンとカレンは食事を楽しんだ。最後のワインにコロンボはフェリエ・ヴィンテジ・ポルト45年物を選んだ。そのワインはこの店にはないし、あったとしてもかなり高価だとエイドリアンは笑った。
ワイン係りは貯蔵庫にワインを見に行き、1本だけあったといって持ってきた。 コロンボ、カレンとワインを飲みその味を堪能した。次いでエイドリアンのグラスにワインが注がれ、それを一口飲んだ途端にエイドリアンの顔色が変わった。
エイドリアンはこのワインは熱のために酸化していて飲めたものではない。40度近い高温の中においてのだろうと、あたりかまわず喚き散らした。
怒って店を出るエイドリアンにコロンボは追いつき、エイドリアンに先週、ものすごく暑い日があった話をしてエイドリアンとカレンを見送った。
帰りの車の中でエイドリアンはカレンに、リックが帰ったとなぜ嘘をついたと聞いた。カレンはエイドリアンの役に立ちたかったと言い、さらにエイドリアンはリックの死に責任があるとも述べて、エイドリアンに結婚を迫った。

暫くしてリックの死体を投げ込んだ海岸の岩場で、貯蔵していた秘蔵のワインを海に投げるエイドリアンの姿があった。
エイドリアンが車に戻ると、そこにコロンボが待っていた。コロンボは「全部暑さでやられちまったんでしょう」と言った。 そして、前に貯蔵庫に閉じ込められる実験をしたときに、貯蔵していたワインの1本フェリエ・ヴィンテジ・ポルト45年物をくすねたことを白状した。それをあのレストランでワイン係りに頼んで出してもらったとエイドリアンにトリックを仕掛けたことも話した。
エイドリアンは、あのワインが酸化していたことがわかるのは世界でも数人しかいないはずだといい、悲しそうな顔をした。
そしてカレンが真相を知って結婚を迫っていることも語り、全て自白すると言った。
コロンボはエイドリアンを車に乗せ、ワイナリーに向かった。ワイナリーで二人は最高のデザートワイン、モンテフェスコーネで乾杯した。


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