毒のある花
LOVERY BUT LETHAL |
Guest Stars VERE MILES MARTIN SHEEN SIAN BARBARA ALLEN Special Guest Star VINCENT PRICE as David Lang |
ON AIR Sep 23.1973(USA) Sep 14.1974(JPN) |
スタッフ 製作…ダグラス・ベントン 共同製作…ロバード・F・オニール 監督…ヤノット・シュワルツ 脚本…ジャック・ギリス 音楽…ディック・デ・ヴェネディクティス 撮影…ハリー・ウォルフ 美術…ロイド・S・バベッツ |
キャスト ヴィヴェカ・スコット…ヴェラ・マイルズ カール・レッシング…マーティン・シーン シャリー・ブレイン…シアン・バーバラ・アレン マーチソン博士…フレッド・ドレイパー デヴィッド・ラング…ヴィンセント・プライス |
STORY |
翌朝、ビューティーマークに出社したヴィヴェカは宣伝担当者とミラクルと名づけた奇跡のクリームのポスターを検討していた。そこにミラクルの開発者であるマーチソン博士が入ってきた。
上機嫌で迎えるヴィヴェカに、マーチソンはミラクルは失敗作だと告げた。最後の実験の結果、成果が期待できないと衝撃的な報告をし、それを聞いたヴィヴェカの表情は一瞬にして曇った。
その夜、高級レストランの化粧室でヴィヴェカはラングの秘書シャーリーに会っていた。シャーリーはヴィヴェカに取り込まれ、ヴィヴェカのスパイを勤めていた。昨日のファッションショーのときのプログラムも、シャーリーからヴィヴェカへの連絡手段として使われたものだった。
シャーリーはその席でラングのところにハリー・スミスと名乗る若い研究者がきて、サンプルを売り込みに来たこと。ラングが20万ドルの小切手を切ったが、その研究者のためであるらしいことを告げ、そのサンプルの一部が入ったビンをバックから取り出した。
ちょうどそこに入ってきた掃除係の老女に、顔にゴミがついていると偽ってシャーリーがそのクリームを塗ると、顔の小皺がきれいに消えてしまった。
驚くヴィヴェカにシャーリーは、塗るだけで小皺が消え、効果も24時間持続する奇跡の製品だと述べた。 ヴィヴェカはラングのもとを訪れた若い研究者のことを訪ね、その研究者がビューティーマークを解雇された研究員であり、一時ヴィヴェカの愛人でもあったカール・レッシングであることを確信した。
カールはビューティマーク社で研究していた小皺をとるクリームの成果を盗み、マーチソン博士のサンプルに細工をして研究を失敗させて、自分はそのクリームを持ってライバルのラング社に売り込んだのだ。
激怒したヴィヴェカは自らカールの家に向かった。カールは外出から帰ると、誰かが部屋に忍び込んで探し物をした事を知り、慌ててキッチンに行き粉の缶の中に隠した八角形のビンが無事なことを確認する。
その時に部屋のライトがつき、ヴィヴェカが現れた。ヴィヴェカは昔と同じところに鍵が隠してあったので、その鍵で家に忍び込み奇跡の皺とりクリームのサンプルを探したが見つからず、カールの帰りを待っていたのだ。
カールはヴィヴェカに気前よくサンプルはやるが、分子式がなければ製品は作れないと言う。ヴィヴェカは条件を提示するが、その金額をテレビガイドの裏に眉墨用の黒いペンシルで書き込む。
カールは金のほかに共同経営者にしろとか、よりをもどせとかいろいろヴィヴェカに要求したあげく、俺を捨てたあんたには絶対に分子式は渡さないとの強い態度に出る。
かっとしたヴィヴェカは立ち上がり後ろを見せたカールを、近くにあった顕微鏡で殴り殺してしまう。その時に顕微鏡のスライドがわれヴィヴェカは手を切ってしまった。
その翌日、ビューティーマーク社にいたヴィヴェカのもとにコロンボ警部が現れる。コロンボはカールの死を知らせ、研究員だった当時の人事ファイルを見たいと言う。
快く引き受けたヴィヴェカに、別れ際コロンボはこの事件に犯人は女性だと告げる。現場に落ちていたテレビガイドに黒い眉墨用のペンシルで落書きがしてあったのがその根拠だと言ってヴィヴェカを焦らせた。さらに社長室に入るヴィヴェカを追いかけ、ヴィヴェカも黒い眉墨用のペンシルを持っていることを突き止める。
コロンボが帰った後、社長室でヴィヴェカは昨日カールのところから持ってきた奇跡のクリームのサンプルを取り出し、手につけてうっとりしたあと、我に返り壁の隠し金庫にサンプルを仕舞った。そして無意識に手の指を掻いた。
コロンボは殺されたカールの足取りを追ってラングのもとに行き、そこでシャーリーとも会う。ラングやシャーリーにカールのことを聞くが2人とも口が堅く覚えていないと追い返される。
その日の昼、婦人服店で会うヴィヴェカとシャーリー。シャーリーはコロンボがラングと会ったこと、ラングがカールのために切った20万ドルの小切手を今朝慌てて口座に戻しいれたことを報告し、ラングがカールを殺したのかもしれないと言うヴィヴェカの主張を一言のもとに否定する。
もし、ラングがカールを殺したのなら小切手を切るはずなどないと言うのだ。そしてラングでなければ誰が殺したのかと、ヴィヴェカに思わせぶりな視線を投げる。
ヴィヴェカはあなたの将来を話し合いたいと言って、午後3時に別荘のそばで密会する約束をする。
3時少し前に別荘と呼ばれるマーク社のダイエット合宿所でヴィヴェカは煙草に薬品を仕込んでいた。そこにコロンボが現れていろいろ訪ねるが、強引に別れ少し遅れてシャーリーのところに駆けつける。 シャーリーのバックをわざと落とし、バックを拾いながら煙草を抜き取る。
そして シャーリーに暫くヨーロッパに行くように勧め、その間に重役待遇で向かえる準備をしておくと言ってシャーリーを喜ばせる。ヘビースモーカーのシャーリーは別れ際にバックから煙草を探すが、ヴィヴェカが抜き取ったので当然見つからない。焦るシューリーにヴィヴェカは自分の煙草を差し出す。
吸わないとばかり思っていたと不思議がるシャーリーだったが煙草を受け取り、車に乗り込む。シャーリーは煙草に仕込まれた薬品で意識が朦朧となり、事故を起こして死んでしまう。
一方、シャーリーと別れたヴィヴェカは再びコロンボにつかまるが、コロンボのしつこさに怒る。コロンボは別れ際に毒蔦の話をする。
手が痒くて仕方がないので医者に見せたところ毒蔦にかぶれたと言われた。この付近は乾燥しているので毒蔦はなく、どこかでかぶれたらしいが・・・とつぶやいて帰っていった。
コロンボが帰ったあとに自分の手を見つめるヴィヴェカ。手袋で隠してはいるが、ヴィヴェカの手もコロンボの手と同じ状態だった。
翌朝、ヴィヴェカが出社するとコロンボが社長室で待っていた。ヴィヴェカに昨日の詫びを言い、ラングの秘書のシャーリーのことを知っているかと訪ねる。
ヴィヴェカはファッションショーの時に一度会っただけだと答えたが、コロンボが帰り際に気になることを言った。 毒蔦のかぶれはますますひどくなり手は変色していたが、毒蔦のありかはカールの部屋だった。カールの部屋の黒板に書いてあった分子式が毒蔦に含まれるウルシオールという成分で、これがかぶれの原因だった。
コロンボが帰るとヴィヴェカは金庫からクリームのサンプルを取り出し別荘に向かった。クリームの中にウルシオールが入っていて、金庫に入れる前にクリームを触ったときにかぶれたと考えたのだ。
別荘に着くとそこにいたマーチソン博士にあとでクリームの分析を頼むと告げ、自室に入る。そこにクラクションの音がし、窓から見るとパトカーが入ってきた。慌てて証拠品のクリームを隠そうとするが、隠し場所が見つからず窓から海に投げ捨ててしまう。
そこに激しいノックの音。 警察の家宅捜索が始まる。抗議するヴィヴェカだが、かまわず捜索は続けられ、少ししてコロンボがやってくる。
コロンボは毒蔦のかぶれの話をした後で、ヴィヴェカに向かって「あなたも毒蔦が気になるでしょう」と述べた。
とぼけるヴィヴェカにコロンボは凶器になった顕微鏡を取りだし、毒蔦の成分のウルシオールはこの顕微鏡のスライドにあったと言って、「つまり、あなたもあたしも同じところでかぶれたんだ。あなたはカールさんを殴ったとき、あたしは捜査で床に落ちた割れたスライドを触ったとき」