EPISODE17
二つの顔
DOUBLE SHOCK
Guest Stars
MARTIN LANDAU
JEANETTE NOLAN
TIM O'CONNOR
JULIE NEWMAR
PAUL STEWART
ON AIR Mar 25.1973(USA) Dec 23.1973(JPN)
スタッフ
製作…ディーン・ハーグローブ
監督…ロバート・バトラー
脚本…スティーブン・ボチコ&ピーター・アラン・フィールズ
音楽…ディック・デ・ベネディクティス
撮影…ハリー・ウォルフ
美術…アーチ・ベーコン
共同製作…エドワード・K・ドッズ
キャスト
ノーマン・パリス/デクスター・パリスー(二役)…マーティン・ランドー
ペック夫人…ジャネット・ノーラン
マイクル・ハサウェイ…ティム・オコナー
リサ…ジュリー・ニューマー
クリフォード・パリス…ポール・スチュワート

ミステリーと双子とは切っても切れない間柄。コロンボも第17作目でついに双子の登場。
一卵性双生児のノーマンとデクスターは普段から仲が悪く、職業もノーマンが銀行員、デクスターが料理研究家と対照的。この二人が資産家の叔父を金目当てに殺してしまう。 もちろん双子である利点を生かして、二人で共同して殺害するのだが、コロンボは二人に翻弄されて犯人がどちらか特定できない。
双子をどういう設定で扱うかで、面白くもつまらなくもなるのだが、この作品では仲が悪い設定でどちらも相手が犯人だと決め付けることで話を展開させ、最後に…というストーリー。
犯人が最初にわかっている倒叙物の場合は、こうならざるを得ないのだろう。嫌われても、いじめられても、しつこく犯人にを追うのがこのシリーズだが、双子とあってはそれが分散されて、他の作品ほどしつこさが出ていない。
その分、段階を 追って追い詰めていく過程が描けず、ラストの場面でコロンボが一気に喋って解決するという手法を使っている。発想はいいと思うのだが、時間的に無理があるのかもしれないものの欲を言えば丁寧さが少し足りないと感じてしまう。
コロンボの料理の場面やペック夫人とのやり取りも他の作品とは少し違った要素で、これも作品の特徴になっている。
双子のノーマンとデクスターを演じるのは、ティム・バートン監督の名作「エド・ウッド」でアカデミー助演男優賞を取り、古くはスパイ大作戦のローラン役でお馴染みのマーティン・ランドー。
STORY
資産家クリフォード・パリスは親子以上に年の離れたリサと結婚することにした。クリフォードは実際の年齢はともかく、スポーツで鍛えた肉体は年齢と比較してもかなり若く、花嫁となるリサもスポーツを好んだ。
明日が結婚式というのにクリフォードは顧問弁護士兼財産管理人のマイクル・ハサウェイと自宅の地下のトレーニングルームでフェンシングをし汗を流していた。そこにクリフォードの甥のデクスター・パリスがやってきた。
デクスターは料理研 究家として知られており、明日の結婚の祝いに来たのだった。デクスターはすぐには帰らずに、住込みの家政婦ペック夫人のためにケーキを焼く。ケーキを焼き終わっても、暫くキッチンで会話を楽しみデクスターはキッチンを出ていった。
窓から車に乗り込んで邸を出て行くデクスターを見送るペック夫人の目には、母親のような光があった。

夜、ペック夫人は邸の警報装置を入れ、自室に引き上げた。テレビをつけると思わず画面にひきつけられ、部屋の電気を消して座り込んで画面に見入る。
そのころ玄関脇の警報装置のスイッチを切る手があった。そして、庭を歩く人影。その人影はペック夫人の自室の窓の外から部屋の中を覗き、ペック夫人がテレビに見入っているのを確認すると邸内に入った。
邸の2階ではクリフォードが風呂に入っていた。そこに現れるデクスター。驚いた表情のクリフォードにデクスターは結婚祝を渡し忘れたといって、小さな鞄からハンドミキサーを取り出す。
このハンドミキサーのコードは、予めナイフで削って電線を剥き出しにしてあった。コンセントを差し込んでスイッチを入れたそのミキサーを風呂の中に投げ込んだ。
その瞬間ペック夫人の部屋ではテレビが消えた。慌てる夫人だったが、20秒程度でテレビが付いたが色調が変になっていた。 再びテレビに見入るペック夫人だったが、そのころ警報装置のスイッチをオンにする手があった。

暫くしてリサが、明日のために何かクリフォードと話したいことが出来たといってタクシーでクリフォード邸にやってきた。 迎えに出たペック夫人が、入浴中かもしれないというと2階のバスルームに行くが誰もいない。
地下のトレーニングルームかもしれないと二人でトレーニングルームに行くと、そこの自転車にクリフォードの死体があった。
深夜に呼び出されたコロンボは、葉巻の灰を落としペック夫人に叱られながらも、邸内を見て回る。顔を洗いに入ったバスルームで、濡れているタオルを見つけ、浴槽を触ってみると湿り気があり、石鹸も濡れていた。クリフォードは風呂に入った形跡がある。
フェンシングで汗を流し、風呂に入って さっぱりしたあと、またトレーニングをするのは不自然で、コロンボの脳細胞は完全に目覚めた。
トレーニングルームに戻るとデクスターが急を聞いて駆けつけてきており、コロンボは風呂の話を持ち出し、死因に不審な点があるので解剖したいと告げる。
警報装置がならなかったことから事故死を主張するデクスターと話をしていると、そこに刑事からペック夫人の窓の外にはだしの偏平足の足跡が見つかったとの報告がある。
デクスターが自分も偏平足だとコロンボに言ったところに、デクスターの兄ノーマンが到着した。ノーマンを見るなりコロンボは口をあんぐりと開けた。ノーマンとデクスターは一卵性双生児だったのだ。そしてノーマンももちろん偏平足だった。

ノーマンは銀行員だった。そのノーマンの勤め先にコロンボは解剖結果を知らせに行った。死因は心臓発作ではなく外的要因によるものであった。殺人である。
殺人事件となると動機、それも資産家だったクリフォードの遺産が目的だった可能性が高い。 ノーマンは自分にはある程度の財産があり、金は必要ないことを強調し金が欲しいのは能無しのデクスターの方だと言い、サンフランシスコに商用で行くのでと会見を打ち切った。
暫く後にテレビスタジオでデクスターの料理番組を観覧するコロンボの姿があった。観客参加型の番組でコロンボが引っ張り出され、デクスターの手伝いとして料理をした。
番組が終わり、デクスターにクリフォードの死因は感電死だったことを報告し、例えば風呂に入っている時に電気器具を投げ込まれて殺されたかもしれないと推理を述べた。
そして先週購入したハンドミキサーが2台あるはずだと水を向けると、デクスターは顔色を変えてキッチンの戸棚から新品の2台のミキサーを出して見せた。
そしてノーマンの入れ知恵だろうとコロンボに詰めより、今からノーマンの実態を見せてやるといってコロンボと共にラスベガスに飛んだ。
ラスベガスには賭博に興じるノーマンの姿があった。デクスターはさらにコロンボに対し、芝居をして見せた。ノーマンのふりをしてノーマンが負っている負債額を確認した。3万7千ドルの店側の貸しだった。互いに相手を犯人呼ばわりする仲の悪い双子を前にコロンボは頭を抱えた。

クリフォードの死は弁護士のハサウェイにも甚大な打撃だった。いままでの莫大な顧問料が失われてしまうのだ。 ハサウェイはデクスターとノーマンを別々に訪問し説得した。
クリフォードは遺言 で結婚しようとしまいと全財産をリサに残していた。ノーマンにもデクスターにも遺産は一銭も渡らない。 しかし、とハサウェイは続けた。
遺言書は3通あり、1通は自分が持ちもう1通はクリフォードの金庫から回収した。 あと1通はリサが持っている。リサの遺言書を甘言を弄して取り上げれば、遺産は全てノーマンとデクスターのものだ。
交換条件は今後も弁護士兼財産管理人としてハサウェイを雇う契約書にサインすることだった。ハサウェイはデクスターの目の前でリサに電話し、遺言書を持っていると動機の点から警察が疑いを抱くから、遺言書を預けてくれと言ってリサを騙し、5時に訪問する約束をした。 これを聞いてデクスターはサインに応じ、ノーマンは既にサインを終えていたのでハサウェイの地位は安泰となるはずだった。
5時にリサの住むマンションを訪れると、リサは不在のようだった。ドアに鍵はかかっていなかったので、部屋に入りベランダに出て見ると、外には墜落死したリサの死体が見えた。
ハサウェイは慌てて部屋を出てエレベータに向かったが、エレベーターのドアが開くとそこには警官が立っていた。 警察に連行されたハサウェイは全てを告白し、リサを訪問する時間を知っていたデクスターが先回りして殺したのだと喚いた。

その話をデクスターにしながら、コロンボは何かひらめいたようだった。
コロンボはペック夫人に頼み込んで、クリフォードの邸で実験をしていた。2階の風呂にハンドミキサーを投げ込みショートさせ停電させた。2階から大急ぎで降りて地下にあるヒューズボックスのヒューズを交換して電気がつくまでを図ると67秒。
しかし、事件の夜にペック夫人のテレビが消えていたのは20秒ほどだった。ここに事件の鍵があった。
翌日、ノーマンとデクスターの2人はコロンボに呼ばれ、バスルームでの実験に立ち会った。まずコロンボは自分が実験台になって浴槽に入り、ノーマンに引き上げるように言った。 ノーマンはやってみたが引き上げられなかった。
コロンボは、この姿勢でこの浴槽 から濡れた死体を引っ張りあげるのは一人では不可能だと二人に行った。
次に浴槽に水を入れてハンドミキサーを投げ込んでショートさせ、全員で地下に行ってヒューズボックスにたどり着いた時、電気が消えてから67秒経っていた。

コロンボはデクスターとノーマンに向かって、この事件は2人の犯行であると言って、事件を語り始めた。
事件の夜デクスターはペック夫人のケーキを焼き終わりキッチンを出る。そのまま邸内にとどまって隠れ、外では待機していたノーマンがデクスターの振りをして車に乗りペック夫人に帰ったことを目撃させる。
警報装置のスイッチをいつもと同じ時間に入れ、ペック夫人が自室に引き上げると邸内に隠れていたデクスターが警報装置のスイッチをオフにし、引き返してきたノーマンを邸内に導きいれる。
デクスターはバスルームに入ってクリフォードを感電死させ、電気が消えると地下室で待機していたノーマンがヒューズを替えてスイッチを入れた。この時間が20秒。 とても一人では出来ない時間だが、二人なら簡単だった。
さらに一人では出来ない 浴槽からの死体の引き上げも二人なら可能だ。コロンボは仲の悪いノーマンとデクスターがこの10日間に20回以上も電話をし合っていることも掴んでいた。 連行される二人を見つめるペック夫人の目は涙に濡れていた。


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