EPISODE14
偶像のレクイエム
REQUIEM FOR A FALLING STAR
Guest Stars
ANNE BAXTER
FRANK CONVERSE
PIPPA SCOTT
And KEVIN McCARTHYas Dr.Frank Simmons
Special Guest Star
MEL FERRER
ON AIR Jan 21.1973(USA) Aug 26.1973(JPN)
スタッフ
製作…ディーン・ハーグローブ
監督…リチャード・クアイン
脚本…ジャック・ギリス
音楽…ギル・メレ
撮影…ハリー・ウォルフ
美術…アーチ・ベーコン
共同製作…エドワード・K・ドッズ
キャスト
ノーラ・チャンドラー…アン・バクスター
ファロン…フランク・コンバース
ジーン・デーヴィス…ピッパ・スコット
フランク・シモンズ…ケヴィン・マッカシー
ジェリー・ハークス…メル・ファラー

評価については意見が分かれるところ。純粋な推理を楽しむ派なら評価は高いだろうが、ストーリーを楽しむ向きには物足りないかも。むしろドラマよりも小説のほうが面白いのではないだろうか。
かつての大女優ノーラも今は落ち目。そのノーラには過去に重大な秘密があった。その秘密を知る人間をノーラは殺そうと計画し・・・ 殺害方法も車を爆破してしまうという、かなり派手なもので、この殺人が人違いかもしれないとなると筋もかなり玄人向き。
注意深く見ていないと騙されるので、ぜひ2回見ることをお勧め。
作品ではノーラが映画を撮影しているのだが、その撮影シーンと実際の事件の場面がうまくダブらせてあって効果をあげている。犯人を演じるのは「イヴの総て」のアン・バクスター。
STORY
ハリウッドの大女優ノーラ・チャンドラーは映画の斜陽と共に人気が落ち、現在は出演契約のたびに撮影所側と揉めるほどっだった。
そこに現れたのがスキャンダル専門のライター、ジェリー・ハークス。ジェリーは新しい本のサイン会のためにロサンゼルスに来て、撮影所の一角に建てられたノーラの高級バンガローに現れ、ノーラの秘書ジーンと熱いキスを交わした。
ノーラはその様子を物陰で盗み聞きしていた。キスの後の会話によると、ジェリーとジーンの仲はかなりのものらしい。そして今晩はジェリーの誕生日で、サイン会の後、二人でジェリーの家で夕食をするらしい。
それだけ聞くとノーラは今バンガローに入ってきたような音をわざとたてて、二人に前に出た。用事を言いつけてジーンを追い出しノーラはジェリーと向き合った。
ジェリーはノーラが200万ドルの損失を撮影所に押し付けたことを言い立てて、ノーラを恐喝した。 最初は抵抗するノーラだったが、取引に応じなければ新たに撮影所の筆頭株主になったフランク・シモンズに事実を告げるとジェリーに脅されると簡単に陥落してしまった。
その後の予定を全てキャンセルしたノーラは、戻って来たジーンを詰り、ジーンはノーラのことは何も喋らないと約束をする。ノーラはジーンに今晩の買い物を頼むが、後ろめたさの残るジーンはそれを断れずに車に乗り込む。

その夜、街の書店の駐車場にジーンの車が滑り込んだ。車から降りたジーンは中に走りこみ、サイン会をしているジェリーと話を始める。
近くに停めた別の車からその様子を見ている女がいた。ノーラだった。ノーラは自分の車を降りるとジーンの車に近づき何か細工をした。そして自分の車に戻ると静かに発進させた。
ノーラが向かったのはジェリーの住まいだった。カーポートにガソリンを撒き殺人の準備を始めた。そこにジェリーの車がやってきた。その車がカーポートに入った途端、ノーラは撒いたガソリンに火をつけた。たちまち燃え上がり、ジェリーの車は爆発した。
殺人の後にノーラはレストランで撮影所のファロン所長やシモンズ達と食事を楽しんでいた。そこに知らせが入る。ジェリーの車が爆発したが、車の中で死んだのはジーンだったという。 ジーンは書店からジェリーの車を借りて、ジェリーの家まで運転していったところで爆発にあったのだった。このことを聞いたノーラは卒倒した。

翌日、コロンボ警部がノーラのバンガローを訪れ、状況を詳しくノーラに語った。
昨夜、ジーンはジェリーと書店で会ったあと、駐車場に戻ると車がパンクしていた。 ジェリーはノーラの買い物は無視して、自分の車で先に家に行き、夕食の準備を始めるようにジーンに言い、ジーンはそれに従ってジェリーの車でジェリーの家に行ったところに例の爆発。
現場にガソリンが撒かれていたことから放火殺人、しかも人違いの殺人と判断される。 捜すべき殺人犯人はジェリーを殺したがっている人物だった。

コロンボはジェリーから事情を聞く。ジェリーの仕事を考えれば、ジェリーは恨まれてもいれば、ジェリーに秘密を握られている者もいる。例えばノーラは・・・ノーラの夫で撮影所の株主だったアルは女癖が悪く、アルが13年前に海で一人でボートに乗っていて死んだときまで、二人の仲は険悪だった。
ノーラは事件を機にジェリーに対して攻勢に出た。恐喝には応じないと宣言し、逆にジェリーがジーンに出した手紙のコピーを持ち出した。その手紙でジェリーはジーンに対し、結婚を仄めかし離婚した妻への慰謝料をせびっていた。
ノーラ曰く「警察はこの手紙を見れば、今度の事件に対する見方を変えるだろう。交際が金目当てジーンに気づかれ、人違いと思わせて殺したと考えるかも」

コロンボはファロン所長から、ノーラはアルの遺産を、その後の映画製作につぎ込んだが、ことごとく失敗し今では金に困っていること、撮影所の一角に建つバンガローを売ることを提案したが、ノーラは頑として拒否していることなどを聞き出した。
ノーラの次の行動はコロンボにノーラがジェリーのことを殺す動機がないことを示すことだった。そのためにノーラがとった手段は、ジェリーの部屋の家宅捜索を行わせることだった。
ノーラはコロンボと会ってジェリーから恐喝されていることを告白した。そしてジェリーの部屋を捜索し、ノーラに関する書類を調べ事実を公表してくれと要請した。
捜索が行われ、ノーラが200万ドルの損失を撮影所に負わせた証拠書類が白日の下にさらされた。 その場に立ち会っていたシモンズは、その書類を手に取ると破いてしまった。唖然とする一同にノーラは「この一件は10日も前にシモンズさんに話してあります」と言い放った。
それに対しジェリーは「ほかのネタもある」と思わせぶりな発言をし、「いくら警察でも頭の中は見れないさ」と嘯いた。

コロンボはジーンの車を再調査し、タイヤはパンクしておらず空気が抜かれただけだったことが判明した。
ここに至りコロンボは気づいた・・・人違いではなかったとしたら。犯人は最初からジェリーではなくジーンを殺したかったのでは・・・
そして人違い殺人は間違いで、犯人は最初からジーンを殺す目的で車を爆発させたとノーラに告げたが、ノーラはジーンは間違いで殺されたと頑強に主張した。
コロンボの頭の中ではジグソーパズルのピースがはまるように、いくつかの事実が当てはまり事件の全体が見えてきた。
ノーラにはある秘密があって、ジーンはそのことを知っていた。ジェリーと結婚し、その秘密がジェリーに知られては一大事だった。なんとしてもジーンがジェリーと結婚するのを防がなければならなかった。
その秘密とは、ノーラの夫アルの死についてだった。アルは海で死んだのではなくノーラが殺したのだった。ノーラはその死体を庭に埋め、その上に撮影所から運ばせた噴水を置いた。 今もその噴水はノーラのバンガローの庭にあったが、配管をノーラが拒否したために水はでなかった。
これがジーンを殺した動機だったが、コロンボはジーン殺しが本当の目的だと悟ってしまった。ノーラとすればなんとしてでもジェリーが犯人の標的であってもらわなければ困るのだ。

ノーラは体調不良を訴えて撮影を休息にし、車を駆ってジェリーがサイン会をしている書店に行った。まもなくサイン会が終わる時間だった。駐車場でサイン会が終わるのを待ち、終わって出てきたジェリーに向けてノーラは車を急発進させた。
ジェリーは危うく助かったが、現場に駆けつけたコロンボはいよいよノーラを逮捕する時だと感じた。
撮影所に行き撮影中にもかかわらずノーラのところに歩み寄り、ジェリーが殺されかけたことを告げる。 驚くノーラにジェリーの所持品としてTクラブの会員指輪を見せた。指輪が入っていた封筒にNCつまりノーラのイニシャルが書いてあったという。
Tクラブはノーラの夫アルも会員で、コロンボはノーラの部屋に飾られたアルの写真からそのことを知っており、ノーラを罠にかけたのだ。ノーラはその指輪を見ると動揺したが、それを押し隠すように意味がわからないと否定した。
コロンボが帰ると、ノーラは撮影を中断して、バンガローに走った。明かりもつけず、庭に出ようとしたところで突然部屋のライトがついた。コロンボだった。
コロンボはノーラに向かって事件の話をするが、ノーラは気丈に耐えた。しかし噴水の下にアルが埋まっていて、「そのために水を出すための配管工事が出来なかった。掘り返せば死体が出てきてしまいますからね」と言われるとさすがに愕然としてうなだれた。
しかしそれも一瞬でコートを取ってくるとコロンボとともに思い出深いバンガローを後にした。


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