EPISODE8
死の方程式
SHORT FUSE
Guest Stars
RODDY McDOWALL
ANNE FRANCIS
JAMES GREGORY
And IDA LUPINOas Doris Buckner
Special Guest Star
WILLIAM WINDOM
ON AIR Jan 19.1972(USA) Mar 18.1973(JPN)
スタッフ
製作…リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク
監督…エドワード・M・エイブロムズ
脚本…ジャック・ギリス
音楽…ギル・メレ
撮影…ハリー・ウォルフ
美術…アーチ・ベーコン
共同製作…ロバート・F・オニール
キャスト
ロジャー・スタンフォード…ロディ・マクドウォール
ベティ・ビショップ…アン・フランシス
バックナー社長…ジェームズ・グレゴリー
ドリス・バックナー…アイダ・ルピノ
ローガン副社長…ウィリアム・ウィンダム

化学工業会社の専務とは名ばかりの二代目御曹司ロジャーが、社長の座を夢見て叔父を殺し自ら社長になる決心をした。 そのロジャーが選んだのは化学工業らしく、また自身の化学の学位に恥じない爆薬を使った遠隔殺人。
刑事コロンボの犯人役はエリートや有名人、著名人が多く、このロジャーも地位では申し分なかいが服装はジーンズ、仕事はほとんどせず、麻薬の溺れるという典型的二代目。 このロジャーが社長では会社の将来はないと誰もが考えそうなものだが…
ロジャー役には猿の惑星でコーネルアスを演じるロディ・マクドウォールで配役としては申し分ない。
ミステリーとして見ると犯罪計画が甘く、よくぞ殺人に成功したものだ。しかし殺人の手段が爆殺だから現場には証拠はほとんど残らない。したがって殺人さえ成功すれば安心とロジャーは考えたのかもしれないが、爆薬など一般的にはほとんど作れないし、動機の面でも容疑者筆頭はロジャー。あまりにも安易な殺人でした。
一方のコロンボも状況証拠からロジャーが犯人であることは確実だが、直接証拠がないのが悩み。なにせみんな吹っ飛んでるんですから。 そこで最後に犯人を罠にかけることに。でもこの罠はその前の会話からアンフェアなもの。好みにもよるでしょうが、あまり好きにはなれない作品です。
STORY
化学工業会社スタンフォード・ケミカルの大工場の一角にある、ロジャー・スタンフォード専用の暗室兼研究室で、ロジャーは薬品を葉巻に詰め、葉巻のケースには時限装置をセットしていた。 葉巻のケースのふたを開くと時限装置が作動し、1分後には葉巻につめた薬品が化学反応を起こし爆発を起こす仕掛けだった。
セットが終わるとロジャーは、その葉巻の箱を持って社長室に向かった。ロジャー・スタンフォードはスタンフォード・ケミカルの創設者の一人息子で、専務の地位にはあったが仕事らしい仕事もせずに遊びまわっている若者だった。
化学の学位を持ち、弁護士資格もあったが、会社では専用の暗室兼実験室で好き勝手な実験を重ねていた。 両親は既に無くなり、会社の経営は叔父のバックナーが社長として辣腕をふるっていた。
バックナーの妻ドリスがロジャーの父親の妹だった縁で、ドリスは会社の経営にはノータッチだったが唯一の肉親であるロジャーを溺愛していた。

そのスタンフォード・ケミカルでは現在別の会社との合併計画が進み、調印寸前の状況だった。 社内は賛成派と反対派に別れ、合併を強力に推進するバックナー社長には脅迫めいた手紙が来たりしていた。
反対派の筆頭はローガン副社長で、ロジャーも合併すれば会社を追い出され、遊び回ることもできなくなるのは確実でもちろん合併には反対だった。社長室では、社長秘書のベティ・ビショップがロジャーのことを待っていた。
ロジャー とベティとは肉体関係があったが、もちろん周囲には秘密にしていた。秘書室で2人きりになるとベティはロジャーに早く社長室に入るようにせかすが、ロジャーは室内に置かれた荷物について訪ねる。
ベティによれば、今夜社長が山荘に行くための荷物で、今から社長車に荷物を積むところだと言う。ロジャーはその荷物の点検を始めるが、社長愛用の葉巻のケースがないことを指摘する。
慌てて室内の戸棚から葉巻のケースを取り出すベティ。その隙にロジャーは社長のコートのポケットから葉巻入れを抜き出し隠す。
そして社長室に入るが、バックナー社長からは合併に賛成する書類にサインするよう求められる。
抵抗すると同席していた運転手のクインシーに調べさせたロジャーの悪事を言わせる。ロジャーが書類へのサインを拒否すれば、悪事をドリスに告げると脅す。それを聞くとロジャーはあっさり白旗を挙げ、明日サインすると社長室を退出する。
秘書室に戻るとコートから抜き取った葉巻ケースをビショップの机下に押し込み、外に出る。
社長車を磨いているファーガスンに車の調子が悪いので見てくれと頼み、ファーガスンがロジャーの車のボンネットに首を突っ込んでいる間に、ロジャーは社長車に既に積まれている葉巻ケースを先ほど実験室で作った時限装置つきのものにすり替える。
少しして社長が現れクインシーとともに悠々と山荘に向けて出発した。

その夜、ロジャーはベティとデートをしていたが、そのころ雨の山道で葉巻がなくなったバックナーは葉巻のケースを開ける。同時に時限装置が作動し、約1分後に大爆発が起きる。
深夜にベティと別れて自分の車で自宅に戻ったロジャーは、車をガレージに入れるとガレージの上に住むクインシーの部屋に入り、クインシーのタイプライターで何かを打った。 そして、その紙をタイプライターに挟んだままタイプライターを自分の車に積んだ。
そこに現れたのがコロンボ警部。いぶかるロジャーにドリス夫人が呼んでいると伝える。 ドリスは夫のバックナー社長の行方がわからないと心配していた。
山荘には着いていないし、どこかに寄った形跡もない。おまけに車から電話があり、留守録されていた。 留守録には用件とともに葉巻のケースを開け葉巻に火をつける様子が録音されていた。
ロジャーは電話を聞くと慌てたようすでバックナー叔父を探してくれるように頼んできた。

翌日、山荘への山道の途中でがけから落ちた車の残骸とバックナー、クインシー両名の死体が発見された。現場は車の爆発があったことが明らかだった。
車に仕掛けられた爆発物が爆発して車ががけから落ちたのか、事故で車ががけから落ちたときにガソリンタンクが爆発したのか、コロンボは前者だと睨んだ。
動機の点ではロジャーが一番で、殺人事件として捜査を始めたコロンボは、ロジャーのもとを訪れた。ロジャーが化学の学位を持っている事を知ると薬品だけを合成して爆発物ができるかと聞いた。
ロジャーの答えはもちろんイエスだが、この工場でそれが調合できる者は何人もいると答える。 コロンボは車ががけから落ちる前に爆発が起こったと思われると伝え、出発前にファーガスンが車の中を点検していて、爆発物が仕掛けられた可能性のあるものは現場から発見されていない葉巻のケース以外にないと言った。
葉巻のケースのことを調べたいコロンボはロジャーとともにベティの部屋を訪れる。ベティは葉巻のケースを当日に用意したこと、社長のコートに入っている葉巻入れが落ちていたことを述べる。そして副社長のローガンも同じ葉巻を購入していることを付け加えた。
ローガンの部屋を訪れると、4箱あるはずの葉巻のケースが3つしかなかった。ローガンの葉巻ケースを一箱盗み、それに爆発物を仕掛けて謀殺した可能性が高くなってきた。

ロジャーは次にクインシーの隠れ家に行く。クインシーの部屋から持ち出したタイプライターをセットして警察が来るのをひたすら待った。
クインシーはバックナーに頼まれて反対派の面々の身辺を探っていて、そのために隠れ家を持っていた。 警察は恐らく隠れ家を突き止め捜査に来るに違いないと踏んだのだ。
夜になり案の 定警察が来た。ロジャーはタイプライターに挟んだ紙とある写真を持ち、クインシーの隠れ家を飛び出す。 刑事らはロジャーを追い逮捕する。
ロジャーはバックナー家へ連行され、そこにコロンボがやってくる。 ロジャーが持っていたのはバックナー社長とビショップが愛人関係にあることを示す証拠写真とクインシーのタイプメモだった。
もちろん写真はロジャーが合成したものだし、タイプはロジャーが打ったものだ。隙を見てこれを見てしまったドリスはショックを受け、コロンボ達を追い返してしまう。

翌朝社長としてスーツ姿で出社したが、この朝ドリスの命でビショップとローガンは解雇されていた。ビショップはバックナー社長と関係をもったことで、ローガンは葉巻ケースを使ってバックナーを殺した疑いがあるために。
コロンボは解雇されたローガンとともに社長室のロジャーのもとを訪れる。そして爆発現場で新たな証拠が発見され今からそれを見に行くところだと告げた 一緒に来るようロジャーを誘い、渋るロジャーとともに3人で現場に向かった。
現場で袋入りの新証拠を渡されたコロンボ達は、ロープウェイに乗り山荘にいるドリスのところに向かう。コロンボはロープウェイの中で袋から新証拠を取り出した。
それはなんと焼け焦げのついた葉巻ケースだった。ローガンはこれを見て社長の死亡は事故によるものと安心し、コロンボも同調した。一方、それを見たロジャーは落ち着きを失いイライラし始める。
コロンボはついに ケースのふたを開けた。1分後には爆発してしまう。ロジャーのイライラはつのり、ついにケースを奪いロープウェイのドアを開けて葉巻を捨てようとする。それを見つめるコロンボとローガン。
ローガンはこの葉巻のケースはどこから持ってきたのかとコロンボに尋ね、コロンボは「あなたのオフィスからですよ」と答えた。この会話を聞いた途端ロジャーは罠にかかったことを悟り、いきなり笑い出しコロンボに向かって「やるねえ、あんたは」といいさらに哄笑 を続け、その声が山に響いた。


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