EPISODE4
指輪の爪あと
DEATH LENDS A HAND
Guest Stars
ROBERT CULP
PATRICIA CROWLEY
Special Guest Star
RAY MILLAND
ON AIR Oct 6.1971(USA) Jan 21.1973(JPN)
スタッフ
製作…リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク
監督…バーナード・コワルスキー
脚本…リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク
音楽…ギル・メレ
撮影…ラッセル・L・メディ
美術…アーチ・ベーコン
共同製作…ロバート・F・オニール
キャスト
ブリマー…ロバート・カルプ
ケニカット夫人…パトリシア・クローリー
アーサー・ケニカット…レイ・ミランド
ケン・アーチャー…ブレッド・ハルゼイ

コロンボ対やり手の私立探偵。
妻の浮気の調査を依頼してきた新聞界の有力者。その妻に浮気の事実を隠す代わりに取引を要求し、拒絶されるとカッとなって、その妻を殴り殺してしまう私立探偵ブリマー。そのブリマーを被害者の頬の傷をから犯人と睨み、追い詰めるコロンボ。
被害者の頬の傷から指輪をした手でバックハンドで殴ったという推理はなかなかだが、有能な私立探偵なら手がかりになってしまうと事前に何か手を打ちそうなもの。
最後に容疑者に罠を仕掛けて、その行動自体を証拠にするパターンはその後の「権力の墓穴」や「逆転の構図」などにも見られるが、それがコンタクトレンズというのもかなり強引ではある。
そのあたりを除けば無難にまとまった作品で、もし冷酷陰険なブリマーの部下だったならば最後の場面にはぜ立ち会いたいと願っただろう。いくら給料が良くてもブリマーの下では働きたくない。
ブリマー役のロバート・カルプはこの後「アリバイのダイアル」と「意識の下の映像」でも犯人役をつとめ、ジャック・キャシディとともに犯人役最多出場。
STORY
標的に向かって拳銃の試射をしたその男は、試射を終えると部下から報告を聞きながら自室に戻った。自室に入るとモニターのスイッチを入れ、ビルの入り口が映し出されたモニター画面を見ながら書類を見ていた。
モニターに一人の紳士が写った。それを見ると男は机上のインターフォンのスイッチを入れ、隣室の人物に、ここでの話を聞いているようにと言った。
ビルに入って来た紳士は男の秘書にアーサー・ケニカットと名乗った。ケニカットは新聞社3社を経営する有力者だった。ケニカットはすぐに男の自室に通され二人は握手をした。
男は探偵社の社長ブリマーでケニカットはブリマーに若い妻の素行、つまり浮気について調査を依頼したのだった。 ブリマーの調査ではケニカット夫人には浮気の事実があった。現在進行形ではなかったが古い話ではなく、また事実は事実だった。
しかし報告を待つケニカットにブリマーは浮気の事実は無いと嘘の報告をした。その報告を聞くと緊張していたケニカットの表情が穏やかになった。
報告書を手渡され、笑顔で握手を交わしケニカットが部屋を出ると、今度はブリマーの表情が一転厳しくなり、隣室へ入って行った。隣室にはケニカット夫人が緊張して座っていた。ブリマーとケニカットの会話はインターホンを通じて全て聞かされていた。
ブリマーは夫人に向かって報告は嘘であることを強調した。そして夫人に浮気の事実を伏せる代わりに、ケニカットから政界や経済界の情報を聞き出して報告してくれるよう強く申し入れた。

その夜、海岸沿いの自宅に帰ったブリマーはケニカット夫人が待っているのに驚いた。 夫人は週末を過ごす海岸の別荘からブリマーの自宅までは3kmほどしかなく、歩いてきたらテラスの戸に鍵がかかっていなかったので部屋に入ってブリマーの帰宅を待っていたと言った。 誰にも見られずにやってきたとも付け加えた。
そして昼間のブリマーの申し入れ をきっぱりと断った。夫人は浮気の事実を自分でケニカットに告白するだけでなく、ブリマーからの申し入れの事実もあわせて暴露するとブリマーに逆襲した。
カッとしたブリマーは出て行こうとする夫人を押しとどめ、バックハンドで殴リ倒してしまう。夫人は打ち所が悪かったらしく絶命してしまった。
ブリマーは部屋の中の夫人の指紋を全てふき取り、夫人の死体を車に積んで、町の反対側の廃車置場に持って行って遺棄した。

翌日、夫人の死体が発見された。状況から殺された後で運ばれたことは明らかだった。現場でコロンボは死体を見て頬の傷に注目した。夫人の左の頬に特徴のある傷があったのだ。
ケニカットによる遺体の確認が済み、ケニカットは迅速な解決を期待した。しかし警察の捜査は、はかばかしくなく数日後ケニカットは担当のコロンボを自宅に呼んだ。
広壮なケニカットの自宅でコロンボはブリマーに引き合わせれた。警察の捜査に剛を煮やしたケニカットが、個人的にブリマーに捜査を依頼したのだ。
ケニカットによればブリマーには何度か調査を依頼したことがあり、有能な探偵だとの事だった。 新聞界の有力者に警察も逆らえず、警察上層部のOKが出てコロンボ達警察とブリマー探偵社は協力して事件の解決にあたることになった。

**コロンボの捜査************
コロンボはブリマーとの別れ際に手相を見たいと見当違いなことをいい、ケニカットとブリマーの手相を見た。 実は、この時点でコロンボはブリマーに注目していた。
ケニカット夫妻の年齢差を 考えれば夫人に男関係があっても不思議はなく、むしろ自然だ。ケニカットもそれを心配し、ブリマーに調査を依頼したはずだ。ブリマーと夫人の接点はある。ブリマーも関係者の一人であった。
さらに夫人の遺体にあった傷は、おそらく指輪で出来たものだ。犯人は指輪、それも特殊な加工をした指輪をしている人間だ。コロンボがブリマーの手を見ると、その手には大粒のダイヤがはまった指輪があった。コロンボの頭の中ではブリマーは有力な容疑者だった。
コロンボは次に夫人が最近ゴルフを始めたことを聞き、レッスンをしていたクラブに行く。そこでレッスンの予約ノートを見て、そこのレッスンプロのアーチャーと夫人とが交際していたことを確信する。
コロンボはこれらの事実をブリマーにぶつけた。さらに遺体の頬の傷が左にあったことから犯人は左利きであったことも付け足した。 ブリマーも左利きだったが、そのことを指摘するとブリマーは人口の10%は左利きだからたいしたことではないと一蹴した。
コロンボは、その夜アーチャーと会った。アーチャーは、ケニカット夫人と交際している間に誰かに追けられたことがあったと話した。海兵隊員のように髪の短いがっしりした男だった。 コロンボは、アーチャーとケニカット夫人を追けたのはブリマーの部下だと確信した。

**ブリマーの対応************
ブリマーの方針は物取りの犯行で、その線で調査を進めることだった。コロンボの夫人の頬の傷の話にも一顧だにしなかったが、侮れない相手であることは認めざるを得なかった。
ブリマーは部下にコロンボを尾行させた。すると部下からコロンボがアーチャーと会い何か話しているとの報告があった。 ブリマーはこの報告にピンときてアーチャーとケニカット夫人の捜査を担当した海兵隊員のような部下デニングに連絡して、仕事を言いつけ海外に出張させてしまう。
ここに至ってブリマーはコロンボの取り込みを図った。探偵社の社内を案内させ、その後に昼食を共にしながら、コロンボの引き抜きを図ったのだ。餌として給料は今の3倍を保証した。 コロンボは考えさせてくれと言ったものの満更でもなさそうな表情をした。

**コロンボの捜査************
ブリマーが犯人だと確信するコロンボはブリマーに罠を仕掛けることにした。
ケニカットから夫人の目が悪くコンタクトレンズを使用していたことを聞き出し、夫人の遺品の中にコンタクトレンズが無かったことに目をつけ、ケニカットに遺体のレンズを確認したいので発掘を許可してくれるよう頼んだ。
もしレンズが無ければ、レンズのある場所が犯行現場と特定できるというのが説得の理由だった。藁にもすがる思いのケニカットは許可し、遺体が掘り出された。
それを聞きつけたブリマーは墓地に向かうが、この時に一つのアクシデントが起きた。ブリマーの専用車のエンジンがかからないのだ。仕方なくブリマーはほかの車を使ったが、専用車はすぐに修理に出すように命じた。
墓地にやってきたブリマーはケニカットに説明を求めた。コンタクトレンズを確認し、遺体がはめてなければコンタクトレンズのある場所を捜せば犯行現場が特定できるとのケニカットの話を一笑に付した。
そこにコロンボが来て夫人の右のコンタクトレンズがなかったことを報告した。ブリマーは慌てて捜査協力を申し出るが、ケニカットに一喝されてしまう。

******************************
その夜ブリマーは自宅のじゅうたんをなめるように調べていた。もちろんケニカット夫人のコンタクトレンズを捜していたのだ。そこにコロンボが訪ねてきた。仕方なく相手をするブリマーだったが内心は焦っていた。
コロンボの用事はブリマーの引き抜きを断るためだったが、それは口実でブリマーの様子を探りに来たのだ。コロンボを追い返したブリマーは、車を思いついた。車で遺体を運んだときに落としたのかもしれない。
会社に電話して車が修理工場に運ばれたのを確認するとブリマーは工場に忍び込んだ。 車のトランクを開けて探し回るとコンタクトレンズが落ちていた。思わず笑みがこぼれたが、そこに工場のライトがついた。 コロンボとケニカットを始め刑事や警官達が取り囲んだ。そしてブリマーの手からコンタクトレンズを押収した。
観念したブリマーが連行されるとケニカットが言った。「妻がコンタクトを落としてくれてよかった」
コロンボは「いや、レンズは両方とも遺体についてましたよ。問題はコンタクトじゃなくてブリマーの行動です。ブリマーが何故コンタクトが無いことを聞いて探し回ったかです。」
「それにしても運良く車が故障したものだ」
「私は運命なんか信じちゃいませんよ。子供の頃、いたずらで排気管の中にじゃがいもを詰めるんです。そうすると別に害はないんですがね、エンジンがかからないんです」


Episode ListのPageにもどる
COLUMBOのMain Pageにもどる

Last modified -