EPISODE3
構想の死角
MURDER BY THE BOOK
Guest Stars
JACK CASSIDY
ROSEMARY FORSYTH
Special Guest Star
MARTIN MILNER
ON AIR Sep 15.1971(USA) Nov 26.1972(JPN)
スタッフ
製作…リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク
監督…スティーブン・スピルバーグ
脚本…スティーブン・ボチコ
音楽…ビリー・ゴールデンバーグ
撮影…ラッセル・L・メディ
美術…アーチ・ベーコン
共同製作…ロバート・F・オニール
キャスト
ケン・フランクリン…ジャック・キャシディ
ジム・フェリス…マーティン・ミルナー
ジョアナ・フェリス…ローズマリー・フォーサイス
リリー・ラ・サンカ…バーバラ・コルビー

シリーズ化後の最初の作品。
共作で推理小説を書くケンとジム。ところが実態はジムが創作担当、ケンは宣伝担当の役回り。ジムがコンビ解消を言い出したが、収入の道が絶たれるケンは相互にかけた保険金を目当てにジムを殺害。
この殺害も完全犯罪に近いくらい練られているのだが、推理作家を名乗ってはいるが、一行も書いたことが無い人間が実行したからミスがいくつか。そして仕舞には目撃者まで出る始末。 ケンは毒を喰らわばで目撃者も殺害するが、これは穴だらけの犯行。コロンボが見逃すはずが無い。
コロンボは最後に2つの殺人の質の違いをつくが、どちらもケンのアイデアだったというラスト。
この先品には楽屋落ちがあって、ケンが食料品店の女主人ラ・サンカにプレゼントするサイン本が「殺人処方箋」。 さらにこの作品は20代だったスピルバーグが監督した作品で、随所にスピルバーグらしいカメラワークが見られるとされる。
ケンを演じるジャック・キャシディは「第三の終章」と「魔術師の幻想」でも犯人役をやり、犯人役ではロバート・カルプとともに最多出演。
STORY
推理小説のベストセラー作品、メルヴィル夫人シリーズはケン・フランクリンとジム・フェリスの共作だった。 ところが、ジムはシリアスな作品を書きたいとの理由で、15作品500万部を売り上げた人気のシリーズの執筆を止めると言い出した。
ケンは反対し二人は喧嘩別れするが、ケンはこの機会を利用してジムを亡き者にしようと計画する。
そして、その実行当日ケンはジムが執筆しているオフィスに向かって車を走らせていた。テレビの画面はこの場面から始まる。
車を駐車場に入れ、ケンはジムがタイプ を打つオフィスに向かう。タイプに集中していたジムは、チャイムの音でタイプを中断しドアを開けた。ケンが喧嘩の詫びを言い、メルヴィル夫人シリーズの終了に同意するとジムは、少しすまなそうな表情をした。
ケンは不満ながらも仕方がないという感じで、ジムをサンディエゴにある別荘に誘った。気乗りしないジムに、最後くらいパートナーのいうことを聞いて欲しいとジムを口説き、二人で車に向かった。
車に向かう途中で、ケンはメルヴィル夫人のお別れパーティーやろうと提案し既に出席者のリストも作ったと、そのリストを内ポケットから出してジムに見せる。
ジムがリストを手にとって知らない名前ばかりだと言うと、ケンは慌てて別のリストを持ってきてしまったと言い、ジムの手から取り返した。
さらにケンはライターを忘れてきたとの口実で、ジムを車に待たせ自分はオフィスに戻る。 オフィスに戻ったケンは部屋を荒らし、机の引出しに先ほどジムに見せたリストを入れる。もちろん先ほどの行為はジムの指紋をリストにつけるためのものだった。

サンディエゴにあるケンの別荘に入る前に、ケンはラ・サンカ夫人の店に車を停めた。この付近では唯一、食料や雑貨を扱っている店で、未亡人のラ・サンカが一人でやっていた。
ラ・サンカと顔なじみのケンはジムを車に待たせ、一人で店に入っていく。ラ・サンカと約束したメルヴィル夫人シリーズのサイン本と食料品のリストをラ・サンカに渡し、リストの品物を用意するように言う。そして自分は電話を掛けに行く。
かけた先はジムの自宅で、ジムの妻のジョアナが電話に出た。 ケンとジムの諍いを知っているジョアナは一瞬驚いたが、ケンはさっきオフィスで仕事をしているジムにあってジムと仲直りしたことを告げるとホッした。
ジョアナはケンを食事に誘ったが、ケンはサンディエゴの別荘で過ごすためにすでにこちらに来てしまっているので、また今度と言って電話を切った。この電話もトリックに必要なのだった。

ラ・サンカの店で買い物を済ませ、別荘に着くとケンはジムにジョアナが心配するだろうから電話をするように言う。 今夜の食事の約束をすっぽかしてきたのだから、サンディエゴにいるよりは仕事でオフィスにいると言うほうが角がたたないだろうと言うことで、早速ジムは自宅の番号を廻す。
ジョアナが出て、ジムは打ち合わせ通りオフィスで原稿を書いていると言ったとたんにケンがジムに銃を向けた。 ジョアナは受話器越しに銃声を聞き、警察に連絡し、サンディエゴのケンのところにも電話をかけてきた。
ケンはジムの死体を見ながら驚いた芝居をし、死体をトランクに積んでロサンゼルスに向かった。 一方、ジョアナから連絡を受けた警察はジムのオフィスを調べるが、荒らされてはいるが死体はおろか結婚すらないので、いたずらではないかと疑う。
頑強に事件を主張し興奮するジョアナに対し、親身になったのはコロンボだった。コロンボは興奮しているジョアナを自宅に送った。自宅でジョアナのためにオムレツを作りながら、コロンボはジムの話を聞く。
ジョ アナの話ではジムとケンの共作というのは表向きで、実際の執筆はジムが一人でやっていた。 ケンは作家ということになっているが、メルヴィル夫人シリーズは一行だって書いておらず、宣伝や出版社との交渉、インタビューの対応などをこなしているだけだった。
そんな話をしているところに、ケンがサンディエゴから帰ってきた。ケンも事件性を主張して警察の動きが鈍いと主張した。 そしてコロンボとオフィスに行き、リスト(もちろんケンが出掛けに仕込んだもの)を示す。
そのリストに書かれているのは西海岸で暗躍する犯罪組織のボスの名前だった。 ケンは最近ジムが組織の内幕を題材にした小説を書きたいと考えていて、その組織から狙われていたともっともな作り話をした。
コロンボは一応リストを預かるが、「きちんと折ってあって、まるで内ポケットに入ってたみたいだ」とつぶやいてケンを緊張させた。

ケンはコロンボと別れると自宅に戻り、トランクからジムの死体を庭に放り出し、自らコロンボに電話をかける。帰ってみたら自宅の庭にジムの死体が転がっていたと言うのだ。
ここでケンはミスを犯した。コロンボに電話をかけながら手紙の封を切って読んでいたのだ。 警察がやってきて捜査をしている間、コロンボはケンに「自宅の庭に死体があるっていうのに、手紙を読むなんて冷静だったんですな」と言われて初めて行動が不自然だったことに気づくが「無意識にやったんだろう」と誤魔化すのが精一杯だった。

場面は大きく変わって正装をしたケンが若い女性と腕を組みながら劇場の階段を下りてくる。プレイボーイのケンは今宵も女性とデートし、二人で推理劇を見ていたのだ。
そこに「フランクリン先生」と呼ぶ女性の声が聞こえた。声の主はラ・サンカだった。知らん振りもできず、ケンはラ・サンカのもとに歩み寄る。ラ・サンカは久しぶりに買い物にきたと言い、ケンに食事を付き合ってくれと迫った。
先約を楯に断るケンに、先約などキャンセルすればいいと言い放った。さすがにムッとするケンにラ・サンカは「あの日私は見てしまった」と思わせぶりな言い方をした。
慌ててケンは先約をキャンセルし、ラ・サンカと食事をする。食事をしながらラ・サンカは「ケンが店に来て買い物をしている間に車を見たら、ジムが乗っていた」と勝ち誇ったように告げた後、おずおずと金を要求してきた。内心、焦るケンだったが秘密を守るためにここはラ・サンカのいう通りにするしかなかった。

金を持ってケンがラ・サンカのところに向かう直前にコロンボが訪ねてきた。ケンはコロンボを振り切るように車に乗り込む。
ラ・サンカの店に着いたケンは金を渡し、シャンペンを抜き二人でラ・サンカの手料理で食事をし、ラ・サンカの機嫌をとる。だが、ケンがやってきた本当の目的はラ・サンカの口を封じることだった。
ラ・サ ンカの隙を見てシャンペンの空き瓶で殴り殺し、死体をボートに乗せてラ・サンカの店の裏にある湖の漕ぎ出す。 暫く漕いだところでラ・サンカの死体とシャンペンのビンを湖に投げ込み、ボートを揺すって転覆させると泳いで戻った。
翌日死体が発見され、ロサンゼルスからコロンボがやってきた。現地の警察に頼んで中を見せてもらったコロンボは、シャンペンの栓が室内にあるのを見つける。さらにケンの銀行口座を調べると1万5千ドル(これは、ラ・サンカがケンに要求した金額である)がラ・サンカの死んだ日に引き出され、翌日また戻されていた。
ここに至ってコロンボは行動を開始した。

最後の場面は、ケンがオフィスでコロンボと対決するところ。コロンボはいくつかの状況証拠を挙げてケンが犯人であることを指摘するが、ケンはそんな証拠では逮捕も出来ないだろうと笑う。
実際にあまりに証拠としては弱いのだが、最後にコロンボはケンに最初の殺人(ジム殺し)と2番目の殺人(ラ・サンカ殺し)は質が違うと迫る。最初の殺人は完璧に近く、2番目のは穴だらけ。恐らく最初のは推理のプロが考えたもので、2番目のは素人のものだろうと挑発し、最初の殺人はケンが考えたものではなくジムが考えたものだと言い切った。
そしてケンのメモを取り出す。メモにはメルヴィル夫人用完全犯罪のトリック。AがBを殺すに際し郊外の別荘に連れて行く。そこからオフスで仕事をしていると電話をかけさせ、その最中にズドン!
これを聞いてケンは「そのトリックは私が考えたものだ。5年前にはなした記憶がある。私のでいいのはそれだけだ。それにしても馬鹿な奴さ、わざわざメモしておくなんて」 ケンとコロンボが出て行く後姿を、オフィスに掲げられたメルヴィル夫人の肖像が見つめていた。


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