いい加減な遺骸
Careless Corpse 1937
論創社
  
海、陸、空のオベリスト三部作に続くABC三部作の第1弾が本書で、オベリスト三部作に引き続き統合心理学者ボンズ博士と警察のロード警視が、閉ざされた館での奇妙な事件に巻き込まれる。ロードは本書の冒頭で警視への昇進が決まっているが、その葛藤に悩んでボンズに相談を持ちかけ、その結果休養がてら行った館で事件に遭遇する。
ニューヨーク警察のマイケル・ロードは警部から警視に昇進することになったが、「空のオベリスト」事件を巡る葛藤から、素直に昇進を受けるべきかどうかで悩み、オベリスト事件でコンビを組んだ統合心理学者ボンズ博士に相談した。
ボンズ博士はゆっくりと休暇を取って考えることを勧め、億万長者のノーマン・トリートが買い取って住むハドソン川の中州にあるケアレス城に誘った。ケアレス城は中世の城館を模して建てられたもので、岸との往来は専用のボートで行われた。
ボンズ博士がケアレス城に招かれたのは、ノーマンが発明した品を実験するために多くの音楽関係者を集め、博士もその一員であったからだった。ロードが城に着くと続々と音楽関係者もやって来た。
ところが最後の客、大学の音楽教授のマーティン・ブラーが岸から城のある中洲への専用ボートの中で急死する事件が起きた。ボートを操縦していたのはノーマンの弟で上海に住むテレンス・トリートだった。
テレンスによると教授は客室に入ったきりで、中州に着いたので客室を覗くと死んでいた、その間テレンスは、天候が荒れていたので操縦に専念し、とても客室を覗く余裕はなったという。
死因は青酸カリによる中毒死。客室内ではポットから注いだコーヒーを飲んだだけだったが、このコーヒーを事件発覚後に飲んだ人物には何ら異常はなかった。しかし状況からいっても毒物はコーヒーまたはポットにしか入っていないはずだった。かといって自殺とも思えない。
このコーヒーは教授を迎えに行く直前に急きょ用意されたもので、予め教授殺害のために準備することもできなかったはずだ。休暇に来たロードは否応なく事件に巻き込まれることになってしまった。
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