蒼井雄(日1909〜1975)
戦前から終戦直後に作品を発表したアマチュア作家で、昭和11年発表の処女長篇「船富家の惨劇」は、この時代には珍しくアリバイ、替え玉、偽装殺人などを組み合わせた純本格の作品であり、南紀、大阪、下呂、松本などを舞台にしたスケールの大きさとともに愛好家からは絶賛されるが、一般読者には時代背景もあって必ずしも受け入れられず、早く登場しすぎた作家といわれる。
その後「瀬戸内海の惨劇」や短篇「黒潮殺人事件」などを発表するが、あくまで創作は余技であり、アマチュア作家であることには変わりなく、本業が多忙になり昭和23年に筆を折った。
その後長らく忘れられた存在だったが、昭和50年代前半に雑誌幻影城で紹介されて再評価され、遺稿の長篇「灰色の花粉」が発掘された。

船富家の惨劇…昭和11年の作品。戦前には珍しくアリバイ、替え玉、偽装殺人などを組み合わせた本格派。
瀬戸内海の惨劇…瀬戸内海に浮かぶ無人島にあった女の死体。「樽」を彷彿とさせる作品で、樽の変わりに柳行李が海を巡る。
灰色の花粉…雑誌幻影城の別冊「蒼井雄特集」上梓の際に発見された遺稿で、サスペンス色の強い作品。


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