歴史の勉強

小西氏は商人の出身という珍しい経歴をもつ大名で、備前の宇喜田直家に仕え、直家死去後は秀吉に仕えて頭角を現した。
商人出身だった行長は武力よりも対外貿易にその才を発揮し、対馬の宗義智とともに朝鮮との貿易窓口を担当し、豊臣家に巨万の富をもたらした。
その後は朝鮮との交渉役となり、それがやがて文禄慶長の役を招く。朝鮮戦線では武功派の加藤清正と対立し、関ヶ原では西軍に属して敗北、戦後斬首され、その首は京都六条河原に晒されて小西氏は行長一代で滅んだ。

小西行長 こにしゆきなが
?〜1600(?〜慶長5)、幼名弥九郎、内匠頭、摂津守
肥後宇土20万石→所領没収

小西行長は商人の出身という珍しい経歴をもつ。堺で薬を扱っていた小西隆佐の二男として生まれ、備前の大名宇喜多直家の家臣となったというのが定説であったが、これは堺に著名な薬種問屋小西屋があったために混同したものらしく、小西屋と行長の関係を示す証拠はない。
ただ、隆佐が豪商であったことと、直家に仕えていたことは事実であるらしい。だが、なぜ直家に仕えるようになったかは、わかっていない。
天正9年(1571年)に直家が死去すると、秀吉に仕えるようになったという。このあたりの経緯もよくわかっていないが、宇喜多家は比較的早くから秀吉に臣従し、直家の子秀家を秀吉の養子にするほどだったから、秀吉も宇喜多家の内実を知っていたことは充分考えられ、その関係で行長は秀吉に仕えることになったかもしれない。
秀吉の家臣となったのちは、紀伊雑賀攻め、九州征伐に参陣、紀伊攻めでは水軍を率いたが敗退したといわれている。
秀吉の九州討伐後、肥後には佐々成政が大名にカンバックして入ったが、一揆の鎮圧に失敗。行長らも出動して平定した。その騒ぎで佐々成政は改易され、肥後は南北に分けられ、南半部の宇土20万石の領主には行長が任じられた。ちなみに北半部の領主となったのは加藤清正である。
商人出身だった行長は武力よりも対外貿易にその才を発揮し、対馬の宗義智とともに朝鮮との貿易窓口を担当していた。
貿易は豊臣家の直轄事業で、豊臣家に巨万の富をもたらした。国内の統一が終わらぬうちはそれでよかったが、国内が統一されると秀吉は海外の富を自身で支配したくなった。
そして明を征服することを決意する。明に軍を派遣するためには、途中の朝鮮を通らねばならない。秀吉は行長や宗義智に命じて朝鮮と交渉し、征明軍の通路を確保するよう命じた。
秀吉の頭には、戦闘のために小大名の領地を通過する程度の考えしかなかったようだ。しかし権力者であり独裁者の言だから、無下にはできず、行長と義智は策略を用いて秀吉を丸め込もうとする。
秀吉は朝鮮が言うことを聞いたと思い込み、派兵を決定し文禄の役が始まった。日本軍侵攻をまったく予想しなかった朝鮮は、当時の李王朝の腐敗もあって民衆の協力も得られず、敗退しつづけた。
朝鮮の大部分が占領されたが、明軍の参戦、極寒の冬の到来、民衆のゲリラ戦、日本水軍の敗北などで日本軍は押し返され、講和交渉が行われた。
講和の交渉にあったのは行長と義智である。交渉はなかなか纏まらず、時日が無為に過ぎ去った。ここで行長と義智は再び欺瞞工作に走る。
体裁だけを整えて、とりあえず講和だけすることを目指したのだ。明側にしても事情は同じようなもので、講和担当者同士が勝手に条件を決め、お互い都合のいい解釈をしたのだった。
いくらなんでもこんな講和は纏まるわけがない。明使が日本に来て秀吉に明皇帝の親書を授けたが、中に秀吉を日本国王に封ずるとの一文があったことに秀吉が激怒、講和は決裂し再び朝鮮への出兵が行われた。慶長の役である。
慶長の役は文禄の役以上に悲惨な結果となり、秀吉の死により日本軍は撤退した。文禄・慶長の役で行長は加藤清正とことごとく対立した。片や武功こそ武士の本分という猪突猛進型の武将、方や戦略戦術を重視し大局のためなら撤退も辞さないという武将。
清正は最初から朝鮮・明を武力制圧し秀吉に献じると意気込み、一方の行長は和平派で一日も早く講和し、貿易を復活しようと願う。
これでは揉めないわけがなく、事実ことあるごとに二人は対立した。この対立は撤兵後も解消されず、清正は武功派に行長は吏僚派につながり、二人の仲はますます険悪となった。
関ヶ原では行長は西軍に属し、これは経緯からいっても当然であった。三成が決起すれば行長が同調しないはずはないと、これは全武将が思っていただろう。
行長は三成と行動をともにし、本戦に参加し奮闘したが、東軍に内通した小早川秀秋隊に側面を突かれ潰走、行長も逃亡した。
行長は伊吹山中をさまよって言うところを捕われ、三成、安国寺恵瓊とともに斬首され、その首は京都六条河原に晒された。
行長は父隆佐の影響で早くにキリシタンとなり、その洗礼名をアウグスティヌスという。


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